奄振195億円、公共9%減

 

21年度当初予算案
非公共の交付金、前年並み23億9400万円
新たに新型コロナ対応で支援

【東京】政府は21日、2021年度当初予算案を閣議決定した。それによると奄美群島振興開発関係予算決定額(国費ベース)は公共・非公共を合わせて195億2300万円となった。公共事業は、171億2900万円(20年度当初比9%減)となりトンネルや道路整備、与 
論町などの無電柱化への予算を計上した。また、奄美群島振興交付金を含む非公共事業は23億9400万円(同1%減)となった。

公共事業で増減が目立ったのは、港湾空港の20億9700万円(20年度当初予算比24%減)。港湾は前年と同額(15億4200万円)となっているが、20年度に奄美空港の無線施設事業が完了となる予定のため、空港が前年度の46%の予算にとどまったことによる。道路整備は3億9900万円(同1%増)で、道路やトンネル13カ所、橋梁15カ所などのメンテナンスにあてられる。道路環境は、倍増の7000万円。与論町と和泊町の無電柱化などに計上され、今後も継続される予定。農林水産基盤整備は、61億5700万円(同12%減)となった。沖永良部島の地下ダム(国営沖永良部農業水利事業)が21年度に完成予定となっており、公共事業予算のピークを越えたことによるもの。

社会資本総合整備(交付金)は、80億7500万円(同4%減)を計上。引き続き、おがみ山バイパスの整備などが行われる。

一方、非公共事業の交付金は、奄美群島交付金と奄美群島振興開発調査経費を合わせ、23億9400万円(同1%減)とほぼ前年並みとなった。継続項目である「物資の輸送費支援」「航路・航空路運賃軽減事業」「世界自然遺産登録に向けた観光キャンペーン」「農業の生産性向上・水産業の振興」「成長戦略の実現に向けた支援」に、新たに「新型コロナウイルス感染症への対応」が加えられた。デジタルニューディールの推進として、オンライン化やリモートワークの推進への支援や、新型コロナの影響を受けた、群島内の小規模事業者に対する利子補給による支援を行う。

ほかに、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」として20年度の補正予算額が、公共で16億5000万円、21年度予算に組み込まれる国庫債務負担行為(ゼロ国債)が5億9700万円あったとの報告がされた。非公共事業の同補正予算額は5億円、非常用発電機や避難所の整備などに使用される。