シマ旅で奄美再発見 20コロナ禍の夏を行く②

奄美大島中部の風景印台紙

秋名郵便局には「平瀬マンカイ」の人形が飾られている

珍しい建物とヒマワリの庭が出迎えた市郵便局

 

奄美大島内外郵便36局風景印で知る見所
かつての伝統漁がデザイン・市局
サーファーが風景印を飾る東城局
奄美大島北・中部編㊦

 

 

 奄美大島中部の風景印台紙には奄美市街地、大和村、住用町の地名とマングローブパークのカヌー乗り、金作原原生林のヒカゲヘゴ、マテリアの滝の写真が並ぶ。PR文には「名瀬郵便局周辺は観光・文化、経済の中心で、多くの商店や飲食店、宿泊施設などが立ち並んでいます。奄美市街地から東側ルートの国道58号線沿いに進むと、住用町のマングローブ原生林を見ることができます。逆に西側ルートの県道79号線沿いに進むと夕日の美しい海岸線や西郷どんのロケ地である宮古崎を見ることができます」と添えられている。

 9月10日。大和村へ向かう。思勝にあるはずの大和郵便局が見つからない。歩道を歩く小学生に場所を聞いた。お礼にお菓子を渡した。名瀬方向から尾神山トンネルを出て右折するとすぐだった。恩勝ではなく、思勝と書くことも知る。職員全員が対応してくれた。「ここはわかりにくいですね。看板つけてください」と依頼。

 同局の風景印は、小学生がデザインしたもので、高倉、東シナ海に広がる波、特産品のスモモとタンカン、特別天然記念物アマミノクロウサギとテンコ盛り。それだけ観光地や特産品が多いことが伺える。18日に住用へ移動する旨を伝えると、「東城郵便局は、城の東だから東城という地名なんですよ」と教えてくれた。知らないことが島にはたくさんある。お礼を伝えて名音郵便局へ。徳浜の断崖を見学できる見学階段が使用不可のため、上るのを諦め龍郷へ戻った。

 9月18日。国道58号線とは思えないほどの急カーブに東城郵便局は建つ。ヒマワリの花が同局を飾る。風景印には、目の前に広がる城海岸でサーフィンする人、絶滅危惧種のリュウキュウアユが描かれ、チヂン(島太鼓)が外枠を飾る。サーファーたちの話では、城海岸には中級サーフアーが訪れ、芸能人も波乗りする姿が見受けられるらしい。

 住用郵便局は西仲間の奄美市住用支所近くにあるが、凹んだ場所にあり、見過ごすところだった。市郵便局へ。松元重宏局長が対応してくれた。風景印マニアが「郵頼(郵便での依頼)」することが多いとのことで、風景印の説明文を頂いた。「右上の島は〝とびら島〟です(ネットで検索できます)。近くの喜界島と引っ張り合いをして勝ったので、当市集落の湾に来たという言い伝えもあります。左側はサワラ突き漁になります。小さな魚に似せた〝疑似餌〟を海面上で動かし近づいて来たサワラ(一番下の魚)を船の上から突いて獲るという伝統漁法です。(現在はほとんど行われておりません)。以上となります」。シマのかつての伝統文化が風景印に残っていた。珍しい建物とヒマワリの庭が迎えた。

 この日は、奄美大島中部の残る1局・名瀬郵便局に最後に寄った。パパイアと高倉が数棟建つデザイン。シンプルだが、美しい。この風景印だけは鹿児島の印字がない。台紙10局が揃ったとのことで、青色の小さなポスト型貯金箱をもらった。

 9月25日は、宇宿と赤尾木へ。10月15日に赤木名、屋仁、笠利を回って北部郵便局10局が終了。ピンクのポスト型貯金箱ゲット。笠利地区の4局は、チヂンが外枠を飾り、笠利は男性の踊り手と教会、「夢をかなえるカメさん」、赤木名は女性の踊り手で八月踊りと喜瀬の山、宇宿はPR文通り、大瀬海岸のご来光と野鳥の楽園が描かれ、屋仁は、蒲生崎展望台と特産品「たーまん」(田芋)がデザインされている。すべて、赤木名局の局長夫人がデザインしたという。                           (永二優子)