大島地区1月子牛セリ市

 

 

 

欠航影響、新型コロナ対策もあり1日のみの合同開催となった徳之島の子牛セリ

 

 

3万4千円高の69万円
総平均価格 購買者の買い気強く上げ相場
商品性のバラつき大

 

 JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は13日、新年最初となる2021年1月の大島地区子牛セリ市結果をまとめ公表した。今回は強い寒さと冬型の気圧配置の影響でフェリー・航空機の欠航などもあり購買者の移動、子牛の積み出しなど変則的な動きとなった中で開催。市況は価格の総平均が前回(昨年11月・12月)比3万4206円高の69万396円となった。

 セリ市開催への影響では、徳之島は購買者が当初乗る予定の航空機が欠航したこともあり、9日に2日分(午前中8日分、午後に9日分)のセリを実施。また与論は11月の子牛セリが悪天候、新型コロナウイルス感染症の影響で12月20日に延期して開催したことから、前回から日数が少ない中での開催となり、準備期間が短くなった。

 今回のセリ市の入場頭数は1699頭(雌672頭、去勢1027頭)で、全て売却された。平均価格は、雌61万3185円(前回比2万8335円高)、去勢74万917円(同3万4369円高)となり、いずれも上昇した。

 合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、沖永良部の70万1788円を筆頭に、笠利、徳之島、与論、瀬戸内、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価で市場を格付けすると、沖永良部の2710円(キロ当たり)を筆頭に、与論、喜界、徳之島、笠利、瀬戸内の順。セリ日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、沖永良部255日、笠利258日、喜界259日、徳之島261日、与論263日、瀬戸内264日の順となった。

 今回の相場結果について同駐在は「与論、徳之島は12月セリ市との比較になることから、若干の下げとなったが、全体的にみれば購買者の買い気は強く上げ相場だった」と指摘。要因としては、「懸念されていた年末の枝肉相場が上昇傾向にあり、また、肥育農家は11月、12月出荷した頭数を穴埋めするために買いに動いていることが考えられる」。しかし緊急事態宣言が再度発令されるなど新型コロナの感染は拡大傾向にあることから、今後も新型コロナの影響から目が離せないとしている。

 今回のセリ市では子牛商品性のバラつきが大きかったことも挙げる。同駐在は「価格のバラつきが大きく感じられる市場となった」としており、日常の管理を徹底し、「生後3か月までの餌付けをしっかり給与できているような牛は、しっかり評価して購買していただけるので、骨格、フレーム、体高のある子牛づくりを目指してもらいたい」と呼びかけている。