ヒカンザクラ開花宣言

15日、奄美自然観察の森に植えられたヒカンザクラの開花を宣言。役場女性職員をモデルに記念撮影

龍郷町・自然観察の森 昨年より1週間遅れ
見頃は2月中旬ごろ予想

 龍郷町は15日、同町長雲にある奄美自然観察の森で、町花であるヒカンザクラの開花を宣言した。昨年より1週間遅い。町は標準木が、5輪以上咲いたら開花宣言している。自然観察の森内外のヒカンザクラは全体的には一分咲き以下とみている。「(個体差はあるが)2月中旬ごろに見頃を迎えるのではないか。ヒカンザクラを見に来るのが目的であれば2月に入ってからがいいかもしれない」と予想している。メジロなどが花の蜜を吸いに飛来していた。

 標準木前で、則敏光副町長が開花宣言し、「世の中はコロナ禍が続き大変だが、大自然の中では、ヒカンザクラが咲くべき時に開花時期を迎えた」「今夏、奄美が世界自然遺産に登録なるかという大事な年を迎えた。龍郷町では自然観察の森の再整備の工事を進めてきた。コロナが克服されて大勢の観光客が訪れるよう祈念している」と述べた。

 奄美自然観察の森の川畑力自然観察指導員によると、「寒気が来るのが遅かったことで、『休眠打破』の時期が遅れ、昨年より1週間遅れの開花宣言となったのではないか」「花見は3月中旬まで楽しめると思う」とみている。

 町によると、ヒカンザクラは、自然観察の森敷地内には約260本、基幹農道~自然観察の森にかけて約310本、本茶峠旧国道沿いに約460本植えられている。

 「自然観察の森内では、他にも珍しい植物がある。繁殖時期に入る前に花の蜜や実を求めてやってくる鳥なども観察できる」「今の時期は、奄美大島の固有種であるアマミテンナンショウ、絶滅危惧種Ⅱ類に位置付けられているリュウキュウウマノスズクサや、リュウキュウハナイカダ、オオバカンアオイなどが見られる。オキナワジイ(椎の木)も多数ある」(川畑指導員)。

 本茶峠旧国道沿いでは、頂上付近のヒカンザクラ1本が五分咲き以上の感じだった。花見時期には日数がかかりそうな状況だ。