歯科口腔保健推進協議会

歯科保健の現状報告や取り組みなどを協議した歯科口腔保健推進会議

虫歯ある児童、県平均上回る
フッ化物洗口、新型コロナで浸透せず

 2020年度大島支庁保健福祉環境部(名瀬保健所)地域歯科口腔保健推進会議が22日、県大島支庁会議室であった。名瀬保健所管内の19年度の歯科口腔保健の現状について報告があり、20年度の各市町村や関係機関の取り組み状況などについて協議した。小中学校などでのフッ化物洗口については、新型コロナウイルス感染拡大の影響などもあり、実践する学校が増えず、あまり推進できなかったなどの報告があった。

 19年度の管内の1歳6カ月児の虫歯のない人の割合は98・1%(前年度比0・5ポイント減)で県平均(98・6%)と大きな差はなかったものの、3歳児では75・8%(同0・2ポイント増)で県平均(81・8%)6・0ポイント低く、12歳児では43・4%(同3・8ポイント減)で県平均(55・6%)より12・2ポイント低かった。年齢が上がるにつれ、県平均に比べ、虫歯のある子どもが多くなっている現状が報告された。

 20年度の取り組みでは、虫歯予防に効果があるとされるフッ化物洗口について、幼稚園や保育園ではおおむね実施されている一方、小中学校では奄美市の一部の学校をのぞき、ほとんど実施されていない現状が報告された。

 同会議では今年度、学校でのフッ化物洗口の推進を、重点的に取り組む課題と位置づけ、各学校などで推進することを計画していたものの、新型コロナの感染対策などを重視したことから、フッ化物洗口の実施を見合わせる学校も多く、奄美市の小中学校12校の実施にとどまった。

 フッ化物洗口の推進については、自治体の担当者からは「一部の養護教諭がフッ素に対して誤解と偏見を持っているため実施につながらなかった」といった意見があった一方、大島地区養護教諭部会からは「新型コロナの対応とフッ化物洗口の実施は難しい」「個人で行うことで、学校で行う必要はない」といった意見もあった。