奄美トレイル踏破プロジェクト

奄美トレイル踏破プロジェクトに挑戦する野元さん(中央)が奄美大島島内を完走した(29日、奄美市名瀬)

奄美大島コース完走
野元さん「島民も歩いてみて」

奄美群島をつなぐ長距離の自然歩道「世界自然・奄美トレイル」(全線51コース、総延長約550㌔)を徒歩で踏破するプロジェクトに挑戦している、JSCA公認スクール「かごしまカヤックス」=鹿児島市=の野元尚巳代表(62)が29日、奄美大島の29コース・298㌔を完走した。島内ゴール地点の奄美市名瀬のAiAiひろばに到着した野元さんは疲れを見せず、2月1日の徳之島入りに意欲を見せている。

奄美トレイル構想は群島の自然や文化にふれあおうと県が2016年度から推進。20年度中に群島14エリアで開通する見通し。

プロジェクトはかごしまカヤックスの主催。開通を記念して、代表自身によるコース踏破を企画した。

1月5日に喜界島でスタートしたのを皮切りに、9日から奄美大島入り、21日間で5市町村(加計呂麻島含む)のコースを巡った。道中は地元行政や観光機関、住民有志が挑戦を温かくサポート。自身のSNSを通じて自然や集落の様子などを発信し、PRにつとめた。

島内完走直前のこの日は名瀬エリアB(古田町・朝戸・小湊)コース。早朝、同市名瀬小湊の厳島神社を出、名瀬市街地まで旧道を通り午前10時過ぎにゴール。県大島支庁職員、あまみ大島観光物産連盟の関係者らが出迎えた。

野元さんは2島完走について、「エリアごとの見所は多く、島民も知らない魅力があふれており、ぜひ歩いてほしい。踏破ペースも予定通り」と順調さをアピール。「旧道などは勾配があり、意外に雨が多かったのは予想外でした」とこれまでを振り返った。

ゴールでの出迎えに参加した田中完大島支庁長は「野元さん自身の姿がトレイルの魅力発信、シマッチュ(島民)との交流を果たしている。最終ゴールの無事を願いたい」と激励し、その上で「プロジェクトを通じて、島民が旅目線でトレイルを歩く機運醸成につながってほしい」と話した。

今後の滞在見通しは徳之島1週間、沖永良部島3、4日間。ゴールの与論島踏破は13日を予定している。