畜産業の担い手育成へ

中学生に講話する人工授精師・受精卵移植師の山本優一さん=和泊町=

獣医師、人工授精師 中学校でキャリア教育 和泊町

 【沖永良部】畜産業に興味を持ってもらおうと、中学生を対象にした職業紹介授業が1月29日、和泊町立和泊中学校(上久保大介校長)であった。1、2年生106人が参加。畜産に関わる国家資格を持つ2人を講師に招き、仕事の内容ややりがいを聞いた。

 授業を主催した和泊町によると、畜産戸数は高齢化や労働力不足の影響で減少傾向にあるが、子牛価格の高騰により規模の拡大が進み、繁殖雌牛の頭数は少しずつ増えているという。

 講師は、獣医師の葉棚幸輝さん(50)と、人工授精師・受精卵移植師の山本優一さん(32)の2人。ともに和泊町出身。

 1年生に講話した葉棚さんは、獣医師となってから23年間、多くの畜産農家と関わってきた経験から「大事に育てられた牛は、ほとんど病気をしない。私たちも命を大切に守り育てていくことが使命だと信じている」と述べた。

 2年生に向け、人工授精と受精卵移植の方法を紹介した山本さんは「牛の命を作る技術。受精卵移植は、農家の中でも知らない人が多いので、もっと広めていきたい」と語った。

 父親が畜産の仕事をしている2年生の名越康西さん(14)は「将来は自分もやってみたいと思っているので、現場で活躍している人の話が聞けて良かった」と話した。