群島タンカン品評会

L・2L階級で最高の金賞を受賞したタンカン

福元産(大和村)ダブル金賞
最高糖度12度超、紅のり良く

 2020年度奄美群島タンカン品評会(奄美群島農政推進協議会、JAあまみ主催)は10日、審査結果が発表された。階級ごとに金・銀・銅賞(各1点ずつ)が選出され、最高の金賞はL・2Lとも大和村の福元地区産がダブル受賞。盆地特有の寒暖の差を生かした高品質のタンカン生産を印象づけた。

 奄美大島(奄美市16、大和村4、宇検村3、瀬戸内町4、龍郷町6)、徳之島(徳之島町13、伊仙町2、天城町1)、喜界島(2)から51点(L階級24点、2L階級27点)の出品があり、前日の9日に外観と内容(糖・クエン酸)審査が行われた。

 二日目に審査結果が発表されたが、新型コロナウイルス感染予防のため表彰式は行われず、受賞品の展示は奄美市農業研究センターであった。審査委員長を務めた県農業開発総合センター大島支場・德永太藏支場長は審査講評として、▽20年度産は台風による影響も少なく、収量、果実品質ともに順調な仕上がり。特に平均糖度はL11・7度、2L11・4度と、ここ数年、高い数字で安定しており、クエン酸含量もL0・95%、2L0・89%と、酸切れが良好な状態▽各賞の受賞者は、受賞を励みに今後とも高品質なタンカンを栽培いただき銘柄確立をけん引していただきたい▽コロナ禍で生産者同士の情報交換の場が少なくなっているが、品評会を機会に生産者がさらに自己研鑽に励まれ、それぞれの技術向上につながれば―を挙げた。

 糖度の最高はL12・6度、2L12・5度といずれも12度を大きく超えた。金賞受賞者は二人とも福元地区に果樹園があり、外観・内容とも高品質のタンカンを生産している。金賞受賞者の一人、大海昌平さん(65)は「品評会に出品されたタンカンは全体的に色が浅く感じた。福元地区で生産している農家は出品にあたり目ぞろえ会に取り組むなど福元産のレベルを高めている。紅がのり、糖度の高いタンカンが生産されているが、基本的な栽培技術を適期に的確に行っていくことが大切ではないか」と語った。なお、同様に福元産で金賞を受賞した藤村秀久さん(57)は、前年度産の群島品評会でも最高の金賞(L階級で)を受賞、2年連続の快挙となった。

 審査結果(受賞者)は次の通り(敬称略)。

 【L階級】金賞=大海昌平(大和村)▽銀賞=金城良洋(奄美市)▽銅賞=新元幸子(徳之島町)

 【2L階級】金賞=藤村秀久(大和村)▽銀賞=金城良洋(奄美市)▽銅賞=大海昌平

 【審査員特別賞】元井雄太郎(奄美市)

 【奨励賞】古俣文喜(瀬戸内町)