質の高いエコツーガイドへ

群島エコツアーガイド初期段階育成事業「集落歩き」=20日、徳之島町亀徳で

「集落歩き」で研修仕上げ
群島広域事務組合

 【徳之島】2020年度奄美群島エコツアーガイド初期段階育成事業「集落歩き」(群島事務組合主催)が20日、伊仙、徳之島両町であった。19年度から2年間の研修のまとめで受講生自らが地域の自然環境や歴史を生かしたツアーを企画、ガイドを実践的に体験した。

 奄美群島国立公園(17年3月7日指定)さらには世界自然遺産登録に向けて、質の高いエコ
ツアーガイドの量的確保、就業機会の創出―が目的の育成事業。群島エコツーリズム推進協議会委員の西村千尋氏(元長崎県立大学教授、歩健学研究室代表)を講師に14年度から開始。2年間1セット計10回研修を実施。18年度までの修了者数は計208人、第4期(19、20年度)の申込者数は196人となっている。

 第4期受講生らまとめ(9回目研修)の「集落歩き」プログラムのタイトルやコンセプトは、▽伊仙町検福会場「検福ぶらツアー~知れば知るほど深い~」=自然と文化を感じる(カムィヤキの森・遺跡)、洞窟歩き、食文化など▽徳之島町亀徳会場「亀徳で迷子~集落という小宇宙の歩き方~」=集落に神々が存在し、かつては人生儀礼や生活のすべてが完結し、典型的な琉球様式の集落構造の亀徳を歩きながら感じるツアー―と銘打った。

 受講生たちは、既に地域で活躍する先輩のエコツアーガイドら関係者をツアー客に見立てて、自分たちで調べた集落の自然や歴史文化など複合的な〝地域の宝〟の魅了を紹介。20代の受講生が懸命に伝説など解説する姿に、講師の西村氏は「自分で調べてみて、思いがけない発見があったときの驚きや感動、つながりも大事にして欲しい。それが地域への愛着や誇り、地域を見直すきっかけにもなると思う」と目を細めていた。

 21日は天城町岡前・浅間会場でタイトル「太古からの歩み」、27日は和泊町皆川・大城会場で「にゃーぐぬほーとふーぐすくさんぽ」がある。