電動キックボード実証実験スタート

公道を使った電動キックボードの走行体験=23日、与論町=

新しい観光スタイル提案へ
与論町、公道で試乗体験

 【沖永良部】与論町は今月1日から、新たな交通手段として注目されている電動キックボードの実証実験を始めた。23日、同町の役場駐車場や公道を使った試乗会があり、茶花海岸の前を走行した参加者は「楽しい」「気持ちいい」と声を上げた。

 ヨロン島観光協会が主体となり実証実験を実施。電動キックボード事業者「Rimo」(沖縄県恩納村)と島内の9観光事業者が連携して20台を導入した。今後、充電ステーションを増やしていく方針。

 道路交通法で原動機付き自転車に分類されるため、乗車には原付の免許とヘルメットの着用が必要。車体にはナンバープレートも付いている。最高速度は約20㌔、1回の充電で20㌔の距離を走ることができる。重さは約13㌔で、持ち運びも可能。

 Rimo代表の石井光哉さんは「環境に配慮した乗り物。それを整備したことは与論島にとって大きなメリットになる」と話した。

 役場駐車場で試乗した同町の阿由葉辰夫さん(69)は「きれいな道路で走ると気持ちがいい。与論の観光にマッチしている。操作は簡単だが、高齢者が乗るのは難しいかも」と語った。

 公道走行体験では、役場から茶花海岸を目指した。走行中、参加者はマスクを外して与論島の空気と景色を楽しんだ。同町の山野里奈さん(23)は「動きがスムーズですごく楽しい。普段の生活でも使いたい」と笑顔。

 参加者と一緒に体験したヨロン島観光協会の永井新孝会長は「コロナ禍でも密にならない新しい観光スタイルを提案できる」と期待を込めた。

 試乗会の様子を見守った山元宗町長は「利用者がマナーを守り、正しい乗り方を心掛けてほしい」と呼び掛けた上で、「島の観光復活の切り札になれば」と話した。

 電動キックボードは、1時間1千円、3時間2500円、1日5千円でレンタルできる。問い合わせは、ヨロン島観光協会0997(97)5151まで。