實さん(奄高校3年)「4冠王」

全国家庭科技術検定で「4冠王」を取得した實さん(下段中央)と「3冠王」の生徒たち

 

 

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商簿記2級合格の佐仮さん(下段左)、全商英検1級・ITパスポート検定合格の福原さん(下段右)、全商検定1級6種目合格の渡さん(上段右)、加さん

 

 

家庭科技術検定4種目1級合格
商業・情報処理でも検定など合格者

 

 奄美高校(宇都尚美校長、生徒392人)の家政科3年の實真凜=まりん=さんは、今年度の全国高校家庭科技術検定の4種目でそれぞれ1級に合格し「4冠王」に輝いた。同校は昨年県内初の合格者を輩出し、2人目の受賞。先輩の姿を見て意欲を燃やしたという實さんは「合格は未だに実感が湧かない。この経験を将来の目標に生かしたい」と笑顔を見せた。

 4冠王は、被服製作技術の和服・洋服の2種と、食物調理技術、保育技術の計4種目の検定の1級に合格すると手にできる。4級から順番に合格する必要があるため、1年生から取り組む。なお、保育技術は特に難易度が高いとされ、①音楽・リズム②造形表現③言語表現④家庭看護ーの4種目すべての1級に合格する必要がある。4冠王合格者は県内では計5人、うち離島では實さんのみだ。

 試験は年に2回、同校では昨年の夏期と今年の冬期に実施された。筆記と実技があり、1級の課題は、被服製作は▽和服がひとえ長着の浴衣▽洋服が裏地付きジャケットの製作▽食物調理は「45歳母の祝い」のテーマで和食のフルコース作り▽保育はそれぞれ4項目ーが出題された。

 實さんは、女子ソフトボール部の練習や、家政科3年生の課題研究で、文化祭に向けた2着のドレス製作の傍ら試験勉強に取り組んだ。「保育技術の『音楽・リズム表現』がいちばん大変だった」と言い、ピアノの楽譜読みの勉強から始め、2学期からは毎日練習を重ねたという。本番は震える手で実技試験に臨んだ。

 家政科主任の河野聡子教諭は「ハードスケジュールのなかでも、時間をやりくりしながら一生懸命取り組んでいた。前向きに取り組む姿は後輩たちの刺激になる」と努力を称えた。

 保育士を目指している實さんは、卒業後は奄美看護福祉専門学校のこども・かいご福祉学科への進学を予定している。「将来は奄美で働き、子どもだけでなく保護者にも頼られる保育士になりたい」と目標を語った。

 同家政科からは實さんのほかに、3年生6人が3種目(保育以外)で1級の「3冠王」に合格した。合格者は次の通り(敬称略)。

 泉沙弥、中督唯愛、盛宮杏樹、武美咲、横井まかな、田畑鈴

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 なお、同校商業科・情報処理科は今年度、日商簿記2級に伊村武蔵さん(商業3年)、佐仮明日香さん(情報処理3年)、全商英検1級とITパスポート検定に福原莉巴さん(情報処理2年)、全商検定1級6種目に加誠仁さん(情報処理3年)、渡月斗さん(同)が合格した。