ビートに“シマの音”織り交ぜて

CheapWordの名称で、ビートメーカーとして活動する會所佳高さん

24日に発売開始したファーストアルバム「Gandhi」。左手前は先着限定のステッカー

「CheapWord」として24日アルバム発売 瀬戸内町の會所佳高さん

 瀬戸内町古仁屋在住の會所=かいしょ=佳高さん(24)は24日、アーティスト名CheapWord(チープワード)でファーストアルバム「Gandhi(ガンジー)」を発売した。會所さんは日頃、龍郷町の染織工房で働きながらビートメーカーとしてアーティストへの楽曲提供や、音楽共有サービスで配信を行うなどの音楽活動をしている。

 出身は瀬戸内町古仁屋。幼少期から社会人数年は高知県や鹿児島本土で過ごした時間が長く、2018年に同町へUターンした。

 自身を “録音マニア”と称する會所さん。録音(サンプリング)した音源は、専用の機材に取り込み、コラージュのようにさまざまな音と組み合わせて作曲する。また、この作業をする人をビートメーカー(トラックメーカー)と呼ぶという。

 會所さんの特徴は、海や川、鳥の鳴き声などの自然の音に始まり、泥染めなどの染色時に響く作業音、唄声や人の話し声など、“シマの日常”の音を組み合わせて創作しているところ。

 「もともと音楽が好きだったものの、楽器の演奏や歌(唄)うことはあまり得意ではなかった。曲作りは楽しくて時間を忘れる。楽譜読みや楽器が苦手だからこそ、決まりごとに縛られない音を生み出せるのかもしれない」

 會所さんは島内外のアーティストとも親交が深く、同アルバムでも奄美出身者や徳之島在住者をはじめ、全国のアーティストとコラボレーションしている。内容曲は全19曲で、アルバムのキーワードは「縦横無尽、奇々怪々」。アルバム名は高知県で漁師をしていた祖父・重吉さんの愛称から取ったという。

 ヒップホップを基調としたアップテンポなビートやラップの合間に、安らぎを感じさせるピアノやシマ唄、重吉さんが生前テレビインタビューを受けた際の肉声も織り交ぜられ、一見ちぐはぐなように思える音が絶妙なバランスで奏でられている。

 會所さんは「奄美の日常には豊かな音であふれていて、見るだけではなく、聴くことでも楽しめる。その音を現代の音楽と組み合わせることで、幅広い層に届けることができたら」と笑顔を見せた。

 アルバムの発売元はレーベル「HIGH FULL.NET」(鹿児島県)。オンラインhttps//:hfn.official.ec/や島内店舗でも購入可能。料金は2200円(税込み)。島内で購入できる店舗などの詳細や、問い合わせはインスタグラム、またはツイッター=アカウント(@cheap__word)まで。