徳之島町亀津北区「大瀬川水辺の野鳥」で講話

徳之島の自然観察・写真記録・発信をライフワークとする指宿安夫さん=2月28日、徳之島町亀津北区

指宿さん「野鳥の宝庫、関心を持つと見えてくる」

【徳之島】徳之島町亀津北区自治会(幸多勝弘会長)の「徳之島・大瀬川水辺の野鳥~みんなの水辺サポート学習会」が28日、住民を対象に同公民館であった。野鳥など島の大自然を観察し写真に記録、発信を続けている地元の指宿安夫さん(73)が、精魂を込めて切り取ったショットと解説で、足元の「野鳥たちの宝庫」を認識させた。

「大瀬川」は、亀津市街地の北区と中区両地区を隔てて太平洋へとそそぐ県2級河川。両自治会は、同河川「みんなの水辺サポート推進事業活動団体」にも認定されている。北区の同学習会は世界自然遺産登録にも向けて企画。あいにくの悪天候のため河川内見学は中止、午前7時半から指宿さんを講師に室内学習会のみとした。

指宿さんは療養のため50代半ばに学校教諭を退職後、夫婦で運営するホームページ「徳之島しじ&ばばのブログ」で徳之島を紹介するために、野鳥を中心に島の大自然を観察。カメラ機材を車に、島内の海岸や河川、森林、湖沼などをめぐる撮影行脚を日課としている。

ブログでは身近な「大瀬川」に飛来した天然記念物や絶滅危惧種など珍鳥の数々も紹介している。同町立図書館関連事業で、膨大な画像データの中から2014年に「奄美・琉球の世界自然遺産登録に向けて~徳之島の野鳥展」、15年には「同~徳之島の動植物写真展」も開いている。

室内学習会で指宿さんは老若男女の住民たちに、大瀬川に飛来した渡り鳥(夏鳥・冬鳥)や留鳥、迷鳥など画像を示しながら解説。種・子孫を守るために、人の歩く速さだと約15年もかかる約2万5千㌔彼方から小さな体で飛び、途中で力尽き、天敵に襲われたり淘汰(とうた)される渡り鳥たちの厳しい現実。勇壮なミサゴ(タカ目ミサゴ科)が由来の米軍機オスプレイ。冬季に備えて餌を貯蔵し、芸もする「賢い留鳥」の亜種アマミシジュウカラの生態など、話題も豊富に解説した。

住民からは「いつも犬を連れて大瀬川沿いを散歩しているが、こんなに多くの野鳥たちが来ていたとは」と驚嘆の声も。指宿さんは「大瀬川のほか諸田池、下久志海岸(いずれも同町)、浅間海岸(天城町)などは野鳥たちのメッカ。関心を持って観察するといろんな鳥たちが見えてくる。この環境を汚さずにみんなで見守って欲しい」と呼び掛けていた。

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