県議会代表質問

全自動PCR37台整備へ
希少種密猟対策 新たに監視強化キャンペーン
ワクチン接種 安全性情報提供

 3月定例県議会は1日、引き続き代表質問があり、同日は県民連合の福司山宣介議員=鹿児島市・鹿児島郡区=、公明党の松田浩孝議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が行った。新型コロナウイルス感染症対策では検査時間短縮などの特徴がある全自動PCR検査機器の導入が取り上げられた。現在26台が設置されているが、年度末までにはさらに11台設置され、同検査機器による一日当たりの処理件数は現在の752件から1140件に増加するとの見込みが説明された。

 地頭所恵くらし保健福祉部長の答弁によると、検査体制の整備は医療機関に対しPCR検査機器設置を支援。県の検査機関等を含めると「一日当たり2589件の検査ができる体制を整備した」と述べた。

 ワクチン接種は、実施主体となる市町村の接種体制の進ちょく状況が説明された。医療従事者の優先接種の実施に当たり、市町村は実施する医療機関等との間で委託契約を締結する必要がある。地頭所部長は「全ての市町村が2月中旬までに契約の手続きを終えている」とし、4月以降の高齢者や一般などの接種に向けては接種方式や医師、看護師の確保について調整を進めているとした。

 接種を受ける人の同意がある場合のみに限り接種が行われ、感染予防の効果と副反応リスクの双方を理解した上で自らの意思で接種となっており、強制ではなく個人の判断で接種は行われる。ワクチンの安全性について地頭所部長は「国において先行接種する医療従事者等の健康状況を調査するほか、副反応を疑う事例を収集し専門家による評価を行い、結果を公表するなど安全性に関する情報提供を行うこととしている」と報告した。副反応が出た場合の対応は、医療機関以外の接種でも医師や看護師が待機するとした。

 奄美大島・徳之島の世界自然遺産登録も取り上げられた。登録の意義について松下正環境林務部長は「国際的にも生物多様性の保全上、重要な地域であり、人類全体にとって特に重要な価値を有すると世界的に評価されることを意味する」と述べ、将来にわたって世界自然遺産としての価値を維持し自然環境の保全と利用の両立を継続に図っていくことを登録の目的として挙げた。登録が実現した場合、「屋久島と合わせて二つの世界自然遺産を有する全国で唯一の県として広く国内外に情報発信され、地域振興につながる」との期待を示した。

 徳之島で「知事とのふれあい対話」が行われたが、その際の要望の予算反映と今後の取り組みに関する質問も。松下部長は「要望のあったノイヌ、ノネコ対策については捕獲とともに供給源である飼い犬、飼い猫の適正飼養の推進、野良猫の不妊・去勢手術等を国と市町村などと共に行っており、今後地域団体との連携を深めながら取り組む」と説明。その他の外来種対策では防除マニュアルの作成や外来動植物対策推進員の設置、新年度からは新たに外来種企画展を開催し、広く普及啓発を行うとした。希少種の密猟対策についての説明もあり、国や県、市町村の希少野生動植物保護推進員等によるパトロールに加え、新年度から新たに空港などで監視強化キャンペーンが進められる。

 6~7月に中国福建省福州市で世界遺産委員会が開催される。松下部長は「審査の状況等を地元の人々と共有できるパブリックビューイングを県庁、奄美大島、徳之島で実施する予定。登録決定時にはポスター、横断幕の設置で周知を図る予定」と述べた。

 3日から一般質問に入る。