奄美勢、高校選抜空手大会で奮闘

「緊張せずにできた」という大島高校の演武

「徳高魂」を受け継ぐ力強い男子の演武 円内は応援席の父母に笑顔で応える選手たち(左が有野監督)

徳之島・男女、大島・女子出場

 【東京】24日、渋谷区千駄ヶ谷の東京体育館で開催された「第40回全国高等学校空手道選抜大会」に県立徳之島高校が男女そろって出場した。同じく県立大島高校女子も出場、共に初戦で姿を消したが、全国のひのき舞台で堂々と雄姿を披露していた。

 24日から26日まで行われる同大会に、団体の形競技で参加。それぞれ勝利を目指したもの。徳之島は女子が先陣を切った。「緊張して、会場の雰囲気にのまれました」(杉山心葉さん)と敗退を振り返った。競合ひしめくグループで、プレッシャーがかかる最初の演武に1年生だけで臨んだだけに清原槙さんは「やり切れました」と満面の笑みだった。男子も「緊張しました。100%の力を出せなかった」(吉田琳さん=1年)。僅差での初戦敗退を悔やんだ。

 一方で予選を勝ち抜き、33年連続出場という「徳高魂」は継続された。「全国の舞台でできたのは、次につながるいい刺激になった」と主将の責任を果たした牧山浩史郎さん(2年)を有野雄造監督は、頼もしそうに見つめていた。「男女共に残念な結果となりましたが、この敗戦を次への原動力、絆にしてほしい」。伝統を受け継ぐ教え子らに、指揮官として期待を寄せていた。ほかに、女子の中富海月さん、男子の丸野温人さん(1年)が力強く畳を熱くした。

 大島は「夢・きぼう枠」での出場。「オリンピック会場での試合は記念に残る」と川畑雄貴監督が語ったように、敗戦にも満足感を漂わせてた。「悔しいけれど、やり切れた思いです」と米村凛音主将(2年)が振り返れば、藤田真夏さん(2年)、平田こはなさん(1年)も「練習成果を発揮できた」と口をそろえていた。共に初戦で姿を消した奄美勢だが、遠くから応援に駆け付けた父母らの目に雄姿は焼き付けた。この日得た遺産は、自身や後輩らのために受け継がれる。