河床の「ど根性バナナ」

大雨の濁流にも耐えて生長を続けている河川河床の「ど根性バナナ」=3日、徳之島町亀津

大雨・濁流にも耐えて 徳之島町亀津

 〇…徳之島町亀津市街地を縦断する河川河床に、バナナの木が生えている。海岸にも近く荒天の満潮時は海水が及ぶこともある汽水域。1~2日にかけた大雨による増水・濁流にも耐えていた。住民らは「なぜこんな場所に。ど根性バナナだ…」などと心を和ませている。

 〇…島バナナと思われる「ど根性バナナ」の木が根付いているのは徳之島徳洲会病院などに近い無名河川。ふだんは流水の少ない「涸(か)れ川」。雨季の豪雨時に一時的に流れる季節河川だ。子株のとき大雨で上流(耕作地域)から流れ着いたのか、河床の堆積土砂に根を張り、雑草をかき分けて生長。3日現在、高さ2㍍前後に〝凛〟と緑の葉を広げていた。

 〇…一方で地元徳之島町当局は近く、雨期に向けた氾濫防止や環境美化対策として河床土砂の除去作業を行う。近くの自営業男性(60代)は「コロナ禍もあって厳しい業務が続くなか、〝ど根性バナナくん〟には勇気づけられる。移植してDNAをつないで欲しい」とも。