徳之島キビ 前期比2万6千㌧増

2020/21年期産サトウキビ搬入最終日の南西糖業㈱徳和瀬工場=5日、徳之島町

 

南西糖業搬入終了、生産実績18万4千㌧台に

 

 【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(神﨑俊社長)は5日夕までに2020/21年期産原料サトウキビの受け入れを終えた。製糖速報(概数)によると同社2工場への搬入量は18万1958㌧。小型工場処理分を含めた同島の同期生産実績は、当初見込み(11月1日現在)から6722㌧上方修正の18万4008㌧、前期実績比で2万6235㌧増の「平年作」となった。

 南西糖業の大型2工場は昨年12月15日から製糖を開始し、伊仙工場(伊仙町)は4日、徳和瀬工場(徳之島町)も5日夕までに原料キビの受け入れを終了。年末年始や春植え推進期間(2、3月に計8日)の操業休止をはさんだ原料搬入日数は95日。7日朝まで予定の操業日数は97日間の見込みだ。

 製糖速報によると、同社大型2工場と島内小型工場処理量(2050㌧)を含めた同島のキビ生産実績(面積3407㌶)は18万4008㌧(10㌃平均単収5・401㌧)。町別の内訳は▽天城町(面積1140㌶)=6万6642㌧(平均単収5・845㌧)、平均買入れ糖度13・63度▽伊仙町(1166㌶)=6万255㌧(5・167㌧)、13・87度▽徳之島町(1101㌶)=5万7111㌧(5・187㌧)、13・67度。

 ハーベスター(収穫機械)に頼った収穫面積は、生産者の高齢化・労働力不足など構造的問題も背景に、前期比0・12%増の98・56%(天城町99・08%、伊仙町98・46%、徳之島町98・03%)に増えた。

 同社徳之島事業本部の松山洋次郎取締役・農務部長は「昨年の台風10号は東側に逸れたため被害は予想外に少なく、イノシシ被害も前期よりは軽減。製糖期に入ってからは雨が多く、年末の季節風による塩害の影響もあり特に天城町の品質が低迷し、平均糖度で伊仙町が逆転した」のも特徴。

 16/17期産の6・204㌧をピークに低迷が続く単収向上への課題には、「(気象条件から)本来は〝豊作型〟の年だった。農家の高齢化に伴う栽培管理不足も生じている。(昨年6月設立の)さとうきび農作業受託調整センターの機能も発揮し、適期植え付けや株出し管理作業の徹底が必要」とも強調した。