世界自然遺産候補の島 保護意識向上もアピール

世界自然遺産候補の島PR、自然保護意識の向上に期待して登場のフォトモザイクアート=15日、徳之島町亀徳新港

大型フォトモザイクアート
徳之島町亀徳新港

 【徳之島】徳之島の海の玄関口・徳之島町亀徳新港。観光客など歓迎アピール看板がこのほど更新され、国の特別天然記念物アマミノクロウサギと、それら希少野生生物の多様性を育む森林を表裏一体で表現したダイナミックな「フォトモザイクアート」が新登場。「二度見すると島の魅力の奥深さが発見できる」などの評判も。

 徳之島町が設置管理しているものでタテ2㍍、ヨコ4㍍。それまでの表示画面(サトウキビ畑など風景写真)の経年劣化を機に「町ふるさと思いやり基金」(ふるさと納税)を活用。「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産候補地の一つとしての魅力のアピールと併せ、住民たちの関心と自然保護意識の啓発も主眼に置いた。

 看板の主題は、来島者を意識したターミナル側にクロウサギ、裏面(駐車場側)には希少動植物のホットスポットのエリアの一つ同町北部地区の森林渓流の風景を採用。表現方法には、画像加工ソフトやアプリを駆使してさまざまな写真をトリミング(切り出し成形)して組み合わせる「フォトモザイクアート」手法での制作を外注していた。 

 そのモザイク素材の写真カット(5㌢四方)は、町企画課が、町広報誌用などに長年撮りためた写真データからピックアップ。種類は、絶滅危惧種など生物多様性の島を彩る希少動植物、人々の躍動を追った伝統行事や闘牛大会、風景など計527種。全体構成の明暗や色彩調整のための重複を含め、1画面当たり計約3200カットで構成している。

 遠目には「ただのクロウサギの拡大写真」だが、何気に近づいて「二度見で」凝視すると、隠し絵的なモザイク写真の数々に気づかされ感嘆の声を上げる来訪者たちの姿も。

 町企画課主幹兼自然保護係長の米山太平さん(36)は「世界自然遺産取り組みの対外的なPRと併せた、住民の皆さんの自然観察や保護意識の向上。ビジネス来島の方々の観光リピーター化にもつながって欲しい」など期待を寄せた。