知事会見

「同時並行的進められている」
ワクチン接種遅れ指摘 スケジュール通り供給注文

 塩田康一知事は16日、県庁で定例会見を行った。新型コロナウイルスのワクチン接種について知事は「当初予定していたよりも、だいぶ進んでいない印象」との認識を示し、4月末には県内43市町村に1箱(975回分)届くとの見通しを報告する一方、国に対しスケジュール通りの供給をあらためて要望した。

 ワクチンの配分は市町村に対し行われている。高齢者への接種は県内でも大和村などで12日から開始されたが、知事は「医療従事者へのワクチン接種も終わっていない中で高齢者への接種が同時並行的に進められている」と遅れを指摘。県内に届いたのは2箱(大和村のほか鹿児島市)のみで、1週間後には10箱ずつ、4月の最後までには全市町村に1箱届くとの見通しを説明。県内高齢者数は約51万人で、知事は「順次接種が行われるよう、一日も早くワクチンが届くように国は供給に取り組んでほしい」と述べた。

 新型コロナの県内での新規感染者数は15日、1週間ぶりに二桁となり、奄美群島でも感染者が出ている。知事は「年度末に人の往来、大都市圏からの往来など(感染経路では)県外の人との接触により感染につながっている。感染者が多い地域への往来は控えてほしい」と呼びかけるとともに、県内では疑いを含めて21例確認されている変異株については「感染リスクが強く警戒しなければならないが、県内では市中感染が広がっている状況ではない。県外への往来、県外の人との接触に注意しながら従来通りの感染予防策(マスク着用、消毒、密にならない等)の徹底を」と強調した。

 「まん延防止重点措置」適用地域への往来については、「人口10万人あたりの新規感染者数が15人を超える地域(県ホームページに掲載)への移動自粛をお願いしたい」との見解を示すとともに、埼玉県や千葉県など15人に至らない地域でも「まん延防止」の適用を受ける場合は移動を慎重に判断するよう求めた。

徳之島空港オスプレイ着陸 「警告ランプつき予防的に」

 14日夜、米軍のオスプレイ1機が徳之島空港に事前連絡なしに着陸(約20分後に離陸)したことについて知事は「防衛省が米軍に確認したところ、警告ランプがついたことから予防的に着陸し、機体に異常がないことを確認した上で離陸したとの追加情報が寄せられている」と説明。住民の安心安全を図る立場から米軍に対し、信頼関係を確立する上でも「しっかりとした情報提供や再発防止に取り組んでもらいたい」と注文した。

 奄美の世界自然遺産登録に関する質問もあった。可否を審査する世界遺産委員会は7月16~31日に開かれるが、知事は「最終段階に来ている。今回、なんとか登録されることを期待しており、それに向けて機運の醸成、シンポジウム開催などしっかりと取り組む」との決意を示した。