奄美市、和泊町、知名町 24日から通常営業再開

時短要請解除となった奄美市名瀬の屋仁川通り

時短解除、客足や感染に懸念 飲食店ら不安の声

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、奄美市、和泊町、知名町の飲食店に出された営業時間の短縮要請が23日いっぱいで解除された。24日から通常営業は可能だが、市内繁華街の人通りはまばら。市内では感染予防を徹底し通常営業に戻す店も多いが、感染発生が止まらない現状に懸念する声も聞こえた。

 奄美市名瀬の繁華街・屋仁川通りでは要請初日の10日は以前と同程度の客が訪れた店もあったというが、遅くまで楽しむ客はごくわずか。一部は休業を知らせる紙を入り口に掲示するなど、真っ暗なままの店も目についた。

 奄美市では4月29日、知名町では5月1日に接待を伴う飲食店でクラスター(感染者集団)が発生。拡大状況を踏まえ、1市2町では今月10日から酒類を提供する飲食店などに対しては時短要請が出されていた。

 クラスターはその後、収束傾向に向かったがそれ以外の感染は依然として毎日のように発生している。期間中も市内では20人を超す新規感染者が確認。11日間で感染者は出ており、同通り近くで串カツ店を経営する男性(64)も「感染状況を見るとお客さんには来てくださいとは言えない。今やれば感染がもっと増えるのではという怖さもある」と不安を隠さない。

 同繁華街で居酒屋を経営する男性(58)も24日から通常営業に戻す予定だが、警戒感から客足は戻らないと見越す。「(クラスター以降は)観光客も含めて夜にはまったく人が通らない。メニューには刺身などの生ものが多く、仕入れの調整も大変だ」と嘆く。

 奄美市社交業飲食業組合・伊東隆吉理事長は「警戒レベルは依然5を継続しており、解除で客が戻るという状況にはない」と受け止める。組合員には感染防止対策の徹底を呼び掛けた上で、「市議会でも新たな対策への声は上がっている。組合としても要望を続けながら、支援体制の協力に向けて後押しをしていきたい」と話した。

 なお、県は協力金の申請期限を6月1日~7月16日と発表。詳しくは県ホームページで確認できる。