龍郷町・男女共同参画推進懇開催

男女共同参画推進懇話会で講話をする印南百合子大島支庁長=龍郷町役場=

 

「行政と民間の協力」「生活のすみずみにまで」
印南支庁長が講話
女性登用、3割近くに

 

 龍郷町は28日、2021年度第1回龍郷町男女共同参画推進懇話会を龍郷町役場で開いた。龍郷町の各団体や福祉事業、小売業の代表、有識者ら16人が同会委員として委嘱を受け、伊勢るりさんが会長に選出された。同会では龍郷町男女共同参画基本計画の概要や進捗状況が公表され、印南百合子大島支庁長による講話や意見交換なども実施された。

 同会の開催目的は、第5次龍郷町総合振興計画に含まれる龍郷町男女共同参画基本計画(2014年~23年の10年間計画)に基づき、より具体的な実施計画を策定すること。そして「性別に関わらず一人ひとりの個性と能力を十分発揮でき、自分らしく生きることができ、他者のそれぞれの生き方も認めあえる社会」等の実現を目指す。

 会では、竹田泰典町長が、委員代表の地域推進員・森田啓子さんに委嘱状を授与。竹田町長は「男女が社会の対等な構成員としてそれぞれの能力を生かしながら責任を全うできる社会を目指してがんばりましょう」と激励した。

 同町の近年の取り組みとして、2019、20年度に、龍郷町地域推進員を3人登用し、月例ミーティング等で男女共同参画に対する理解を深め効果的な啓発活動を模索した。また、「女性に対する暴力をなくす運動」の周知・広報活動や、ワークショップ形式の男女共同参画推進研修会、中学校職員への出前授業などを行った。

 同町における男女共同参画の現状について、課長相当職以上への女性の登用状況や、審議会等への女性委員の登用状況はどちらも3割近くに上り、県内では比較的高い数値を示している。

 以前、県男女共同参画局局長を務めていた印南支庁長は「龍郷町における男女共同参画推進の必要性と懇話会の役割」と題し講話を行い、男女共同参画社会の概念の説明や現状・課題などについて解説した。印南支庁長によると、男女格差を測る指数であるGGIが、日本は153カ国中120位。先進国の中では最低ランクに位置するという。印南支庁長は「行政と民間が協力して取り組んでいかなければならない課題。男女共同を生活のすみずみにまで行き渡らせていきたい」と呼び掛けた。

 委員同士の意見交換では「高齢者にジェンダーフリーの概念を伝えるのが難しい」「利用客からのクレームで暴言を吐かれやすいのは圧倒的に女性」など様々な意見が飛び交った。