「がやまき作り」体験

集落の老人会と一緒に「がやまき作り」をする児童たち

大和村名音小 伝統行事受け継ぐ

 大和村の名音小学校(桑鶴直幸校長)で名音集落にだけ残る伝統行事「がやまき作り」が12日、同小多目的ホールであった。児童17人と、集落の老人会、保護者約50人が一緒にもち米を「がや」の葉に包みながら、一年間の健康や無病息災を願った。

 この日は作業前に、上級生が下級生へスライドを使って端午の節句に関する風習や、がやまきの作り方を説明した。

 がやまきは、もち米とがやという植物で作る節句飾りで、家の玄関や軒下、柱などにまつられる。以前は奄美各地で見られたが、現在は同集落だけで行われる貴重な伝統行事になっている。

 4月から同校に赴任した桑鶴校長は「20年ぶりに奄美大島に赴任。地域の方が協力的で、受け入れ態勢が充実している」と語った。

 がやまき作りでは、親指大に丸めたもち米をがやで包み、集落の老人会「むつみ会」のメンバーや教職員を手本に、三本束ねて約1時間で完成。参加者らは、親子や友達と失敗しながらにぎやかに、がやまき作りを体験した。

 むつみ会の坂口就子さん(77)は「学校に来る機会も少ないので、子どもたちに会え、一緒にがやまきを作る作業が楽しい」と喜んだ。

 同小3年の重田浩輔さんは「3回目の体験。楽しい」。同5年の髙藤陽星さんは「最初は縄をなうように作りなさいと教えてもらった」と、それぞれ感想を話した。

 千葉県から3月に移住してきた同6年の鈴木心紘さんは「奄美にも慣れ楽しい。がやまきは東京の祖父に贈りたい」と話した。