芭蕉布の原料「糸芭蕉」手入れ

糸芭蕉畑の手入れを行った参加者ら=知名町=

地元の特産品守る
知名町

 【沖永良部】知名町の特産品「芭蕉布」の原料となる糸芭蕉の手入れ作業が12日、同町内の畑で行われた。沖永良部芭蕉布会館のスタッフや役場職員ら30人ほどが参加し、雑草の除去や肥料散布に汗を流した。

 畑では約3000本の糸芭蕉を栽培。地元の特産品を守ろうと、役場の若手メンバーが中心となって毎年この時期に作業をしている。

 この日は、地域住民も応援に駆け付け、糸芭蕉の生育を良くするために無駄な葉を刈り取ったり、雑草を取り除いたりした。

 役場職員の甘利一誠さん(23)は「糸芭蕉の畑に初めて入った。伝統文化を若いメンバーで引き継いでいけたら」。瀬利覚字出身の吉田雄輝さん(23)は「瀬利覚字に残る伝統芸能の獅子舞の頭に芭蕉の糸が使われていると知って驚いた。字を超えた交流をしていきた」と話した。

 芭蕉布会館の長谷川千代子代表(81)は「みんなが手伝ってくれるおかげで芭蕉布を作ることができる。新型コロナウイルスで来館者は少ないが制作活動は今まで通り続けていく」と語った。