朝山市長が勇退表明

市議会で勇退を表明した朝山市長

「情熱持った後進に期待」 公約の80%以上達成

 奄美市の朝山毅市長(74)は16日、11月の任期満了に伴う市長選に出馬せず、3期目の今期限りで勇退する考えを表明した。同日の市議会一般質問で、川口幸義議員(自民)の質問に対し、「次期市長選には出ないことを表明したい」と答えた。

 朝山氏は勇退の理由について、自身が掲げた公約の達成度に触れ「自己評価として80%以上相当は出来たという思い」などと述べたほか、74歳という年齢を含めて、総合的に判断したことを説明。「情熱を持つ後進に期待を寄せ、残された5カ月の任期をしっかりと務めたい」などと述べた。

 朝山氏は1994年から3期11年、旧笠利町長を務め、2006年に市町村合併で誕生した奄美市の助役(のちに副市長)に就任。09年には、平田隆義・前市長の辞職に伴う市長選に出馬、新人同士の一騎打ちを制し、初当選した。

 就任から約1年後の10年には、奄美豪雨災害を経験、「災害に強いまちづくり」を目指し、防災拠点としての機能を備えた住用、笠利両総合支所を整備するなど災害からの復興に取り組んだ。また、危機的状況にあった市財政の再建に取り組んだほか、19年には本庁舎の建て替えも実現、世界自然遺産の登録に向けた道筋をつけ、任期終盤となった昨年以降は、新型コロナウイルスの感染対策にも取り組んできた。

 これまで次期市長選への出馬表明はないが、地元選出の県議や市議らの名前が取りざたされており、朝山市長の勇退表明で、今後、市長選に向けた動きが活発化しそうだ。