和泊町長選 前氏が初当選

初当選を果たし、支援者らとともに万歳三唱する前氏(27日午後10時10分ごろ、和泊町の選挙事務所で)

 

 

 

新人4人の激戦制す
投票率85・38% 「町政刷新」を選択
種子島氏に45票差

 

 任期満了に伴う和泊町長選は27日、投開票され、新人で前おきのえらぶ島観光協会長の前登志朗氏(62)が1972票を獲得、8年ぶりとなった選挙戦を制し初当選を果たした。過去最多の新人4人が立候補した選挙戦は、町政の刷新を訴えた前氏と、現町政の継承を訴えた前町総務課長の種子島公彦氏(59)による実質的な一騎打ちとなったが、有権者は、同島の観光振興などで手腕を発揮した前氏の実績に期待、民間の発想を生かした町政運営を選択した。

 同町長選に立候補したのは、前氏と種子島氏のほか、元会社役員の末川國弘氏(73)、会社代表の中村むつこ氏(57)=いずれも無所属=の新人4人。町選管に記録が残っている1966年以降、最多となる4候補が乱立する激戦となった。

 投票は、同日午前7時から午後6時まで町内4カ所で行われ、午後8時から防災拠点施設やすらぎ館で即日開票された。4期16年務めた伊地知実利氏(77)の勇退表明で、新たな町リーダーを決める選挙戦に、住民の関心も高く、投票率は85・38%で、2013年の73・43%を11・41ポイント上回った。

 前氏は、4人の中で最も早く出馬を表明、観光協会長として同島の観光振興に取り組んできた実績などを前面に出し、「改革、実行、町民目線の町政運営」などを公約に掲げ、既成概念にとらわれない町政改革を訴えた。また、民間の柔軟な発想とスピード感を生かしたトップセールスの姿勢を前面に出し、幅広い層から支持を得た。

 種子島氏は、現職の後継として、36年間に及ぶ長年の行政経験などを、末川氏は「新しい時代には、新しい発想と人材が必要」などと町政刷新を、中村氏は、総合アリーナ計画の撤廃などを訴えたが、及ばなかった。
 ▽当日有権者数=5054人(男2479人、女2575人)▽投票者総数=4315人(男2143人、女2172人)▽有効投票総数4285票、無効30票▽投票率85・38%(男86・45%、女84・35%)