DeNAベイスターズ「奄美デー」

大型映像表示装置に写されたローズマリーさん(左)とORICAさん(右)。円内は花束贈呈の模様

華麗なフォームの里さん。円内は出身者らで盛り上がるスタンド

神宮球場で2年ぶり開催
「世界自然遺産登録へ」のぼりも

 【東京】奄美大島で秋季キャンプを実施していたプロ野球のDeNAベイスターズによる「奄美デー」が3日、神宮球場を舞台に開催された。在住の奄美出身者ら約270人が、内野スタンドに集結。コロナ禍とあって、拍手で応援を展開した。球場には朝山毅奄美市長も訪れ、関係者とあいさつを交わしていた。

 梅雨前線停滞、豪雨被害が各地に発生し、開催が危ぶまれたものの、この日梅雨明け宣言した奄美に合わせるよう雨が上がった。開幕に先立ち、選手へ花束贈呈をしたのはシンガーソングライターでダイバーのORICAさんと、米国出身で奄美市国際交流員のホワイト・ローズマリーさん。艶やかな大島紬で魅了した。「ステージより緊張しましたが、大島紬での贈呈は、感慨深かった」(ORICAさん)。「奄美の文化をPRできたと思います。日米の交流に役立ちたい」(ローズマリーさん)と大役の感想を語った。

 続いて、クラブチームの埼玉西武ライオンズ・レディースに所属する里綾実さんが、始球式へ。全日本のエースでもあった里さんは、キャッチャーミットを速球で鳴らした。「このイベントでは2度目ですが、緊張しますね。奄美の魅力を伝えることに、少しでも役立ちたい」。はにかみながら堂々のマウンドを振り返った。

 今年はDeNAの本拠地、横浜スタジアムが東京五輪の試合会場になる関係などで、神宮球場での奄美デー。出身者らは、「世界自然遺産登録へ」とのぼりがある奄美ブースを、多くが待ち合わせ場所にしていた。「島会もないから、久しぶりの再会。まるで同窓生の雰囲気」と横浜からやって来た男性は、声を弾ませていた。指笛(ハト)も、声援もアルコールもないスタンド。応援風景は一変したものの、参加者らは最後まで選手の活躍を見守っていた。