図書館車『はこぶっく KUKURU』運行

移動図書館車『はこぶっく KUKURU』の出発式(右・名称入賞者たち)=21日、伊仙町中央公民館

コロナ禍に配慮、読書普及へ 伊仙町中央公民館

 【徳之島】伊仙町中央公民館図書室が初導入した移動図書館車『はこぶっく KUKURU』の出発式が21日、同公民館前であった。名称公募による最優秀賞・命名者ら入賞者の表彰、車体デザインの作者やコンセプト紹介などに続きテープカット。町内集落巡回による貸出しと、学校や保育施設など配本態勢を整えた。

 同図書室(蔵書約2万2千冊)もコロナ禍での外出自粛などの影響で利用者・貸出冊数とも例年の約6割に減少。そのため2020年度、読書意欲の向上にもつながる「読書通帳システム」を整備(6月運用開始済み)。遠隔地域の交通弱者たちにも配慮して小回りの利く軽貨物車をベースに移動図書館車(書架積載約5百冊)も発注。愛称案も公募していた。

 計81点の応募から最優秀賞(命名者)に選ばれたのは、▽齊藤夕真さん(宮崎県在住)の『はこぶっく』(本を運ぶ・本箱・本を意味)▽宮後(みやうしろ)明子さん(伊仙町内勤務)の『心(くくる、KUKURU)』。町は2作品をマッチングさせて命名した。

 車体のデザインは、3月末まで同町内に在住し、先の読書通帳のデザインも担当したイラストレーター竹添星児さんが担当。赤土をイメージしたオレンジ系をベースに、同町の希少野生生物や闘牛など名物をちりばめている。

 大久保明町長は出発式(授賞式)で「インターネットやSNS(会員制交流サイト)など情報が多い中、子どもたちには本との出会いが人生を変えることも。座右の書も持って欲しい。各集落が待ち遠しいと思える移動図書館車に」。優秀賞の奥せりなさん(犬田布小4年生)、西村奈美子さん(町地域おこし協力隊)らも表彰した。

 「積極的に打って出る」町内巡回は今後、計33集落のニーズも吸い上げて時間帯なども調整する。町内小中11校への配本も同車で継続し、新たに保育施設などの要望にも応じることにしている。問い合わせは電話0997(86)3111〈代表町役場、内線・中央公民館〉