観光活用、経済効果に期待

奄美大島、徳之島の世界自然遺産登録決定を受け、奄美市住用町ではカヌー体験など、多くの観光客の利用が見込まれる(資料写真)

地元経済界喜びの声
環境保全・継承への決意も

 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界自然遺産に登録されたことを受け、地元経済界からは喜びの声が上がった。観光への活用、経済への波及効果に期待も高まる一方、持続可能な観光、自然や文化の環境保全・継承に向けての決意をにじませた。

 奄美大島商工会議所の有村修一会頭は「コロナ禍の中、登録の正式決定という朗報に接し大変うれしく思う。関係者の尽力には心から感謝したい」と述べ、「島の自然が世界の宝と認められた。この保全・保護を第一に、利活用のあり方を含めた観光受け入れ体制の整備など、持続的発展が可能な島づくりに努力したい」と語った。

 あまみ商工会の奥篤次会長は「島の食や文化、すべてを世界に発信できるチャンスを得た。奄美は沖縄や琉球弧の文化圏にもあり、歴史の中で受け継いだ原点がクローズアップされることで先人にもいい報告ができる」と話し「これまで奄美は県本土や沖縄の狭間でPRに関しては難しい面もあったが、沖縄とは一緒になったイメージ戦略、商品開発なども考えられる。今一度、身の回り、足元を見直し意識を高めていきたい」と喜んだ。

 一般社団法人あまみ大島観光物産連盟の境田清一郎事務局長は「奄美大島DMOとして喜ばしいことで、先人たちのシマ(集落)の暮らしを残し、継承されることへの称賛であり感謝したい。これからは環境の保全保護が重要になる。SDGs・脱炭素の日本版持続可能な観光ガイドラインモデル地区として、観光利用へのマネジメントとコントロールを肝に銘じ〝島民の幸福度アップ〟を目指し取り組みたい」と意気込みを語った。

 奄美大島観光協会の越間得晴会長も「私たちが生まれ育った島の価値が認められたことは素直にうれしい。これからはオーバーツーリズムにならないよう観光の適正利用と自然保護へのバランスが求められる。旅行代理店などとも協力しながら自然や文化、観光を守る機会にしていきたい」と力を込めた。

 徳之島観光連盟の盛利広会長は「登録により世界の徳之島になった。自然を後世に受け継いでいきながら、島を知ってもらえる観光を展開していきたい。今後とも全国の皆さまの温かいご支援とご協力を心からお願いしたい」と決意を新たにした。