原ハブ屋の原さん、漫画出版

アメリカンコミックのような表紙が目を引く

テーマは共生 森と生きものたち、そこに暮らす人々を描く

原ハブ屋の原武臣さん(43)がこのほど漫画「AMAMI FOREST WARS」を発行した。奄美で暮らす人と自然をテーマにした物語だ。森の生きものたちが変身して現れ、島民たちと仲良く、しかし、一方で戦いあう。その先にあるものは・・・と語りかけてくる。奄美島国(あまみとうこく)と呼ばれるフィクションの島の話だが、なにかしら、奄美とも似て、自然の中で生きている島の生きものたち、関わりあう島人たちの姿が描かれている。何が正しくて、何が間違いなのか、強い問いが聞こえてくる。

「映画は好きだったが、特に絵がうまいということはなかった」という原さんが、漫画を描こうと思ったのは高校生で漫画家デビューした娘の存在があった。自分も「チャレンジしてみよう」。構想2年、パソコンを駆使し、前編だけで260ページにも及ぶ大作を書き上げた。

主人公たちは、もともと店で販売していた奄美の生きものたちをキャラクター化してステッカーなどで販売していたものに命を吹き込んだ。突然変異体アンドとなり漫画の中で人との交流を楽しむ。見慣れない、正体の分からない生きものに最初は怖がり抵抗を見せる島民も、人懐こさにほだされ次第に受け入れ、アンドたちは人間の暮らしの中に溶け込んでいく。一方、別の使命を持ってアンド化したものたちもいた。その使命とは…。奄美で生まれ育った原さんならではの目線がおもしろい。中学生から大人まで楽しめる内容になっている。

原さんは「地元の中学生、高校生にも読んでほしい。奄美の自然、歴史を自分たちで興味を持って調べるきっかけになれば」と期待している。

後編は8月2日発行予定。漫画は、原ハブ屋、ネットショップ、島内の書店などで購入できる。A5サイズ、税込み1430円。