知事会見

ワクチン11月初めには約8割
感染再拡大 「人流増加起因」、県内でも懸念

 塩田康一知事は30日、県庁で定例記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、現在一日1万6千人ペース(県全体)で接種が進められており、ワクチン確保によって「11月初めには(県全体で)8割くらいの接種ができると想定している」との見通しを示した。全国的に感染が再拡大しているが、知事は「人流の増加が起因」とし夏休み、お盆の時期に入り県内での感染拡大を懸念した。

 感染状況について知事は「首都圏を中心に感染力の強いデルタ株への置き換わりが進みつつあり、新規感染者が過去最多を記録するなど感染者が急激に増加している」と述べ危機感を示すとともに、「県内でも感染拡大地域の人との接触等により感染がみられるほか、医療機関でのクラスター発生が相次ぐなど新規感染者が増加している」と指摘。病床使用率は7月28日現在21・2%となり、6月16日以来20%を超えていることを報告した。

 往来の増加などで県内での感染拡大が懸念される中、知事は「緊急事態宣言区域、まん延防止措置区域などの地域との不要不急の往来の自粛をお願いしたい」と県民に呼びかけるとともに、どうしても往来が必要な場合は来県前のPCR検査、感染防止対策徹底の必要性を強調。また、8月いっぱい羽田空港、伊丹空港でPCR検査の助成を県がしていることから利用を求めた。

 ワクチン接種に向けた確保で供給量の見通しに関する質問があった。知事は「今のところ8月末までのワクチン供給量は、県全体対象者の約6割確保されている。10月初めには全体の8割が2回目を終える分のワクチンを確保する」と説明。これにより11月初めぐらいには県全体で約8割のワクチン接種ができる見通し。

 新型コロナ関係では国土交通省の奄振事業視察で国土政策局長らが来島した際、印南百合子大島支庁長、同局長ら国、県、奄美群島広域事務組合など職員計13人で会食(昼食)していたことが取り上げられた。県は感染防止へ職員の会食は「4人以下2時間以内」を原則としている。知事は「マスク着用、黙食、席を空けるなど対策をしていたと聞いているが、(会食の人数など)あらためて指導を強める必要があると認識している。部局の連絡会などで徹底したい。タイミング的にもよくない」と述べた。