奄高工業技術研究部

全国大会へ向け、ロボット制作する部員ら

目前に控えた九州大会へ練習を重ねる島森君

最高峰の舞台へ最終調整
発足初年度でロボット全国、溶接は九州大会へ

奄美高校工業技術研究部は29日から、溶接部門が佐賀県で開催される九州地区高校生溶接技術競技大会に、ロボット部門は来月5日から石川県で開かれる全国高校ロボット競技大会に出場する。部員らは最高峰の舞台に向け、練習や制作活動で最終調整している。

2015年度に同部の前身となる工作同好会が発足。15年8月に鹿屋市で行われた県高校生ロボット競技大会では、初出場ながら15チーム中5位に入り、敢闘賞を獲得するなど高い技術を披露していた。今年度の生徒総会で承認を受け、同部へと昇格した。

ロボット部門は8月26日、薩摩川内市の川内商工高校体育館で開催された「第22回県高校ロボット競技大会」に出場。2度目の参加ながら、部員らは制作した自立型、リモコン型のロボットを駆使し、9校11チーム中4位となり、来月5、6日に石川県で開催される全国大会の出場権を獲得した。

県大会では自立型ロボットが操作できないアクシデントが発生。ロボット部門を指導する小園真介顧問は、「県大会では部の設立当初に掲げた『県大会優勝』を達成できず、不本意な成績だったが、就職試験に向けた学習などと並行して全国大会出場権を獲得してくれた」と目を細める。現在は全国大会上位入賞の目標実現へ、ロボットのスピードアップや正確さを向上させるようロボットの改良に着手している。

大会には福山祐弥君(機械電気科3年)、濵﨑大輝君(同)岡山勇太君(情報処理科3年)、藏陵海さん(機械電気科2年)の4人が出場。操作を担当する福山君は「初の全国大会だが、できる限りの力を出して上位進出を目指したい」と力を込めた。

溶接部門は8月10日に鹿児島市の県工業技術センターで開かれた「第8回県高校生溶接技術競技会」個人の部に、島森優駿君(機械電気科3年)が出場した。溶接の外観の美しさや強度などを300点満点で審査される大会で、島森君は287点で優良賞を獲得。九州大会出場を決めた。

島森君は部の発足後に入部。当初は制限時間内に作業を終わらせることができなかったこともあった島森君だが、大冨将範顧問とマンツーマンで技術向上に励んだ。大冨顧問は「黙々と指導に従って練習を重ねた結果が出た」と九州大会出場を喜んだ。

大冨顧問によると、同部門は全国大会の開催はなく、各地区のブロック大会が最高峰の大会。中でも九州地区の技術は全国でもトップクラスという。福山君は「県大会では緊張もあっていい結果が出なかった。大会までの期間で完璧にして、九州大会でも上位入賞を目指したい」と意気込んだ。