沖縄経由の来訪者増期待

群島内の島々を訪れ観光を楽しむ「奄美群島アイランドホッピングルート」の誕生は地域活性化に向けて大きな期待がかかる(新路線に使用されるATR42-600型機)

徳之島沖永良部 受入れ態勢など諸課題も
奄美群島ホッピングルート

 先日、日本航空(JAL)グループの日本エアコミューター(JAC)は、奄美群島関係路線の増便、新規線の開設などを踏まえた、新たな計画を発表した。中でも徳之島―沖永良部、沖永良部―沖縄(那覇)2線開設による、「奄美群島ホッピングルート」(同グループ命名)の誕生について、両島関係者は、交流人口拡大など地域活性化を期待し歓迎しているところだが、併せて受け入れ態勢など、来島者増加を見据えた諸課題も見据えている。

 JACは7月1日から新たに、徳之島―沖永良部、沖永良部―沖縄(那覇)線を開設。ほか奄美関係で鹿児島―奄美大島線が1~2便増便されるほか、ジェット便も増便される予定で、県本土からの来訪者増加が見込まれるのに加え、沖縄を経由した来島者も合わせ、群島内の更なる交流人口拡大に期待がかかる。

 沖永良部島「おきのえらぶ観光協会」の前登志朗会長は、沖縄との直行便を「待望のルート」と歓迎する。同島では、2016年に観光発展も目指し「おきのえらぶ島 アイランドプラス計画」を策定。同計画の推進も踏まえ、前会長は「与論と沖縄との交流の取り組みも勉強しながら、徳之島を含めた南3島としても、沖縄に積極的に売り込んで行きたい」と意気込んだ。

 夏頃の世界自然遺産登録を目指す徳之島の、徳之島観光連盟の重田勝也会長も「沖縄からの観光客、ホッピングツアーでの来島者など多くの人が島を訪れるだろう。ビジネス関係の面にも拡大してくれると良い」と同ルートによる地域活性に大きな期待を寄せている。

 自然遺産登録で、国内をはじめ外国からも奄美への来訪者がさらに増えていくことが見込まれる。徳之島空港利用促進協議会の大久幸助会長(天城町長)は「沖縄を観光した外国人も来島することが期待される。北、南からも訪れる人が増えることで奄美群島全体の活性化につながる意味でもホッピングルートの誕生は大きい」と喜ぶ。

 それに併せて、一方で見据える課題もある。「トレイル(世界自然遺産 奄美トレイル)の整備が進められているが、他にも3町の隠れた良いスポットがある。食べる所、特産品開発やそれを販売する場所も増やしていく必要がある。外国人に案内ができるガイドの育成も。『また来たい』というリピーターを増やせるよう、関係団体や群島内での連携を進めたい」と語った。