「あなたのそばで県議会」

県議団31人と住民約130人が出席して徳之島で初開催された「あなたのそばで県議会」=29日、徳之島町

県議団31人来島 徳之島初で開催
住民の意見相次ぐ

 【徳之島】県議会(柴立哲彦議長・51議員)が各地に出向いて県民と意見交換する「あなたのそばで県議会」が29日、「あなたの考える大島(徳之島)地域の振興策」をテーマに徳之島町生涯学習センターであった。徳之島3町の住民たちからは安心・安全面に配慮した道路や港湾環境などインフラ整備、学力向上への教育配慮、農畜産業振興、世界自然遺産登録対応―など様々な意見・要望が相次いだ。

 県議会の役割や活動に理解を深めさせ、地域の諸問題も直接意見交換して県民に身近で開かれた県議会に―などが目的。大島地区は2014年7月の奄美市会場に次ぐもの。県議団31人が来島し地元徳之島3町からは約130人が出席。全体会のほか、今回初の試みとして「県民の生活、くらし」「産業活動の振興」の2分散会でも生の意見を聞いた。

 全体会の冒頭、柴立議長は「離島振興対策など課題があるが、迅速・的確な対応で県民の負託にしっかりと応えたい。県民の安心安全のため知事への政策提言や条例制定にもつなげたい」と強調。議会活動などの説明があった。

 意見交換の全体会(事前質問への回答)と2分散会での質問・要望は多岐に及んだ。県道に関しては幅員が狭くカーブも多く交通事故不安も絶えないことから「国道昇格」取り組みを要望。自衛隊関連の誘致、奄美群島振興交付金の離島航空運賃軽減事業の出身者適用、台風断線の影響を受けない電線の地下埋設化など要望も。県議らは、国道昇格に関しては過去の経緯も踏まえ「国の動向を注視して訴えたい」。運賃割引制度の適用拡大は次期奄振法改正も視野に推進努力する方針も示した。

 教育関連では、県立徳之島高へのスクールバス導入による生徒の島外流出防止、県本土に比べて高い「期限付き教諭」比率の改善。風波に左右されやすい亀徳新港の「設計上」の問題、一方的な接岸港変更に伴う地上交通費負担の矛盾。奄振事業予算については「県施設に使うのはおかしい。市町村住民の生活(基盤)に使って欲しい」。世界自然遺産登録取り組みでは今秋にも予定される国際自然保護連合(IUCN)現地調査への対応、登録後の入込客増に相応しい道路景観の向上―など要望も。

 こうした要望活動に関しては、「(様々な)意見を出しても、どうなったか分からないものも。プロセスを踏んで示してほしい」との指摘も。柴立議長らは「肝に銘じて報告させていただきます」と述べ、県民の負託に応えていく姿勢を示した。