鳥インフル等防疫対策研修

作業行程や、防疫服・用具の着脱訓練が行われた研修会

離島での初動体制学ぶ

防疫服の着脱訓練も

県は25日、奄美市名瀬の大島支庁会議室で高病原性鳥インフルエンザおよび口蹄疫防疫対策研修会を開いた。関係する各課職員など約30人が参加して、防疫服等の着脱実習や初動防疫措置の流れを学び、迅速・安全な防疫作業に役立てるよう理解を深めた。

同研修会は県内で鳥インフルエンザが発生した場合を想定し、まん延防止対策として防疫作業を学ぶ目的。研修会では鹿児島中央家畜保健衛生所大島支所の東條秀一支所長と、大島支庁名瀬保健所の新川奈緒美係長が講師を担当した。

国内の発生状況について、口蹄疫は2000年に宮崎県、北海道で発生。10年に宮崎県で再発生した時は、牛、豚など家畜類約30万頭を殺処分。17年は韓国や中国など隣国での発生も確認されており、国内の発生リスクにも言及した。

鳥インフルエンザに関して、16年は北海道から九州まで国内9道県12カ所の家きん農場などで約144万羽に感染を確認。台湾や韓国でも、鳥インフルエンザが発生しているので近年口蹄疫や、鳥インフルエンザが発生している国への渡航などについて注意があった。

WHO(世界保健機関)は、03年11月から17年9月27日現在で人間に感染した鳥インフルエンザ(H5N1型)の症例を16カ国860人、死亡数454人で致死率53%と発表。ただこの死亡数などは、感染防御をしないで無防備で感染したものと説明している。

このほか離島での鳥インフルエンザ発生時の初動体制(飼育規模4万羽の採卵鶏、72時間以内での防疫措置終了)を想定し、防疫作業従事者やPPE(個人防護具)指導要員たちの作業1日の行程と作業手順を解説。実際に参加者たちが防疫服を着脱しながら、作業上の留意点などを学んだ。