上海メディア来島 黒糖焼酎工場を取材

黒糖焼酎の製造工程を取材する上海メディア

奄美のメーカー、製造工程公開

 

「中国市場へ魅力アピール」

 

九州本格焼酎協が招く

 

 九州の焼酎メーカーでつくる九州本格酒造協議会(本坊松美会長)は25日、奄美大島に中国・上海の情報誌などメディアを招いて、酒造メーカーを訪問する「焼酎プレスツアー」を開いた。メディア担当者は海外出荷されている製品の製造工程、製品管理などを視察した。奄美の酒造メーカーは中国市場の販売展開を見据え、「商品の知名度アップにつながる魅力を積極的にアピールしたい」と意欲を示している。

 同協議会は、九州を拠点とする285の焼酎メーカーで構成。国内需要が頭打ちとなっている焼酎販売に活路を見出そうと、海外市場での展開を模索している。同協議会関係者によると、特に九州に近い中国市場を有望視し、4年前から上海のメディアを招聘=しょうへい=。球磨焼酎(熊本)、麦焼酎(大分)、芋焼酎(鹿児島)など各県での取材を呼びかけてきたという。

 4回目となる今回のツアーは奄美の黒糖焼酎が対象。5年前から上海への出荷実績を持つ宇検村湯湾の㈱奄美大島開運酒造(渡慶彦代表取締役)を取材先に選定し、仕込みから蒸留、貯蔵まで一連の過程をメディアに公開した。

 この日は旅行や商品の紹介マガジン「行楽」の記者とカメラマンのほか、中国東方航空の機内誌、観光スポットを発信するブログ「J調de華麗」の各担当者など4団体が来島。メディア側は、工場内ではメーカー側の説明に通訳を通してメモを取り、クラシック音楽を流しながら熟成させている貯蔵タンクなどを写真撮影した。

 海外市場への販売を重視する渡代表は米国、東アジアへの展開を視野に「黒糖焼酎のPRを通じ、奄美への入込増にも期待したい」と語った。

 行楽の銭昉=センボウ=記者(31)は上海で黒糖が調味料として使われていることに触れ、「黒糖焼酎に関心を示す可能性がある」などと話した。