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名瀬測候所、横田所長インタビュー

名瀬測候所、横田所長インタビュー

横田茂樹
【写真説明】
横田茂樹(よこた・しげき)徳島県出身。11年4月から名瀬測候所所長。

危険箇所の予測大切

 2010年10月20日に発生した奄美豪雨からきょうで2年が経った。

 河川の氾濫による住家の浸水や、土砂災害で3人の生命が奪われ、住家の全壊、半壊は485棟にのぼり、多くの被災者が各地で避難生活を続けた。

 それからわずかの期間で奄美では集中豪雨、竜巻、台風など様々な災害に見舞われた。

 常襲する自然災害に今後、どのように向き合えばよいか。

 奄美豪雨から2年を機に、名瀬測候所の横田茂樹所長から話を聞いた。

 一昨年、昨年は集中豪雨の年だったが今年は台風による被害が多い。

 地球温暖化などによる海水温の上昇の影響があるのだろうか。

 平年と今年9月の海水温を比較したデータをみると、実は平年並みであることが分かる。

 平年、南西諸島まで海水温は約28度あり、これは台風が発生、発達するには十分な条件。

 実際に今年の台風の発生数も平年同期比とほぼ変わらない。

 近年はなかったが過去には今年9月に奄美、沖縄を襲ったものと同規模の台風も接近している。

 しかし、今年は明らかに台風の影響による災害発生が多い。

 考えられる原因は。

 台風の発生数は平年と変わらないが、奄美への接近数は平年の倍以上になっている。

 大型台風が立て続けに奄美に接近した9月に関して言えば、フィリピン付近の対流が活発で台風が発生・発達しやすい状況だった。

 さらに台風は通常、太平洋高気圧の周りを回りながら北上するが、上空はフィリピン付近で発生した台風を北上させやすい流れになっており、沖縄・奄美付近が台風の通り道のようになっていた。

 また、8月までは北緯20度付近、つまり奄美により近い位置で台風が発生・発達していたため、それだけ接近する確率も高かったといえるだろう。

 では台風など災害時、名瀬測候所はどのような活動をしているか。

 適切なタイミングでの注意報、警報など、気象情報の発表が主な仕事だが、台風による被害が予想される前日には、関係機関やメディアを対象とした台風説明会も開いている。

 ホームページで発信している台風情報で、ある程度のことは分かるが、説明会では詳細をかみ砕いて説明でき、質問も受けられるのでメリットを感じている。

 また市町村に対しては防災活動や、避難勧告の判断に活用してもらうため、3時間単位で区切って予想した気象情報を支援資料として送っている。

 今後も台風や集中豪雨は発生する。

 自然災害から身を守るために、今後、住民に求められる心構えは。

 家の周りや学校・職場など、自分の活動範囲での危険箇所を予測しておくことが大事。

 また、最近では津波や豪雨など災害の種類によって避難所が異なる場合もある。

 避難ルート、避難場所なども記憶しておくこと。

 ハザードマップがあれば、それも確認してほしい。

 企業が業務計画を立てるのと同じで、災害を想定した事前の防災計画をどれだけ立てられるかがとても大切。

 災害常襲地帯である奄美で、住民の命綱とも言える気象情報の発信を担う名瀬測候所の役割は大きい。

 最後に今後の抱負を。
 異常気象の際の情報発信業務に加えて、自治体など関係機関と連携した防災活動など、防災意識の啓発や防災知識の周知にも力を入れたい。

 そして何より、信頼できる情報を発信するため、情報の精度を上げるための調査活動もさらに進めたい。
  (聞き手・牧一郎)
 
 

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