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世界自然遺産視野に

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奄美群島国立公園の区域案マップ

「生態系管理型」と「環境文化型」計画

国立公園パブリックコメント

 奄美群島国立公園(仮称)指定に向けたパブリックコメントがスタートした。同公園指定が進まないことで、これまで過去2回、世界自然遺産登録目標の延期が示されていたため、今回のパブリックコメント開始は登録向けた大きな一歩となっている。

 同公園指定は、奄美・琉球が世界自然遺産登録を目指す上で、保護担保措置として必ず指定されなければならないものだ。沖縄県ではすでに指定が済んでおり、奄美では登録の核となる特別保護地区や第一種特別保護地域の候補地が国有林や公有林だけでなく、民有林が含まれていたこともあり、関係機関での協議が進められていた。今月に入り、各関係者との協議が終了したことから、公園指定に向けたパブリックコメントを開始することができたという。

 環境省が示す公園計画書(同省ホームページ掲載)では、奄美群島の国立公園は「自然環境と景観の多様性、そこで体験できる自然体験の質を維持向上」「利用者が自然環境の多様性・固有性や、伝統的な人と自然との関わりを感じることができる」ことを目指した保護規制計画、保護実施計画および利用施設計画を設定すると明記。世界自然遺産登録が目指す「生態系管理型」と「環境文化型」を視野に入れた計画となっている。

 奄美群島に生息する哺乳類の在来種の多くは環境省のレッドリストで絶滅危惧種として記載されている。特に国指定天然記念物のアマミノクロウサギをはじめとして、アマミトゲネズミや、トクノシマトゲネズミ、オリイジネズミは奄美群島の固有種、ケナガネズミ、リュウキュウユビナガゴウモリは奄美群島と沖縄諸島の固有種となっており、このほとんどは奄美大島と徳之島の2島に分布。そのため、固有性の高い地域として、国立公園の中でも自然遺産登録が見込まれる特別保護地区・第1種特別地域に指定されている。哺乳類だけでなく、鳥類や両生類・は虫類、昆虫類、植物などでも、奄美大島や徳之島は固有種や固有亜種が多いため、国立公園指定による生態系の管理が、世界自然遺産登録のためにも重要となっている。

 また、喜界島や沖永良部島、与論島などでは特異の景観や、サンゴ礁のある海域部分、すでに国定公園の指定を受けていた箇所などが新たに国立公園に指定される。

 一方で、奄美群島は生活圏域と森林地域や海域が近く、昔から自然と密接した関わりを持ち、群島の各地に立神や神山と呼ばれるものがあったり、龍郷町のショチョガマなど昔ながらの風習も息づいている。そのため、人と自然との関わりを示す環境文化景観も、奄美群島での自然体験を深める一つと位置づけている。

 国立公園の指定は来年春頃を予定。世界自然遺産登録については、今後、科学委員会を経て、ユネスコへの推薦書(暫定版)の提出か、2月の推薦書提出を目指している。最速の登録目標は2018年となっている。
(油井 あづさ)

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