JICA九州研修生

市集落住民と交流するJICA研修生ら

「八月踊り」など文化体験

踊りや遊びで交流深める

住用町市集落

奄美市住用町の市小中学校体育館で30日夜、国内医療研修で来日中の国際協力機構(JICA)九州支部外国人研修員を招いて「文化交流会」が開かれた。同交流会は市集落や同八月踊り保存会(山下哲次会長)協力の下、NPO法人すみようヤムラランド(満田英和理事長)などが主催。同町では住用地区、東城地区に続く3回目の開催となる。同会は奄美・集落の伝統文化を通じ交流を図るもので、医療関係への就業を目指す奄美高校3年の圓吉貴さんは「海外の医療事情をぜひ直接聞いてみたい」と研修員らの到着を待ちわびた。

同研修員らは、国内研修の一環として、医療施設の視察や奄美長寿に関する調査などの取り組みを目的に来島。ミクロネシアやフィジーなど10カ国10人の外国人研修員が参加した。

この日、バスで到着した同研修員ら関係者は市集落住民らから熱烈な出迎えを受け、同小学校1年の渡真優=まひろ=さんと中村海莉=かいり=さんが、「ウエルカム・トゥ・イチ、レッツ・エンジョイ・トゥギャザー」と元気よく英語で訪問を歓迎し、交流会がスタートした。

研修員らは早速、体育館で大きく輪に広がり「八月踊り」を体験。小中学生や保存会メンバーに身振り手振り踊り方を教わりながら次々と流れる曲にリズムを合わせて踊りを楽しんだ。

後半は「駒回し」に「ナンコ大会」、「枕踊り」など奄美・集落の伝統遊びを体験。その他「島唄」「六調」を堪能するなど、絶えることのない笑顔と笑い声で交流を深めた。

同校・田中毅教頭は「この様な機会が持てて子どもたちには非常に良かった。意外と話しながら交流できていたので驚いた」と子どもたちの積極性を喜び、同保存会・山下会長は「海外の人のリズム感はすごい。踊りの飲み込みは早いし上手」と海外独特の歯切れのよい踊りに舌を巻いた。

最後にスリランカから来日の研修員、サラマプリヘウアゲ・ピアスマナさんが「集落のみなさんとの交流はとても楽しかった。奄美文化の遊び・踊り・食、そしてみなさん元気で若い。これが奄美長寿の秘訣だと強く感じた」と感想と謝意を伝えた。

研修員らは今後4日まで滞在し、福祉施設やドクターヘリなどを視察する予定となっている。