奄美大島で県漁港漁場対話会

漁業関係者らが一堂に会し、漁業振興について情報・意見を交わした県漁港漁場対話会

「奄美地区が県漁業リードを」
古仁屋漁港整備など要望も

 2016年度第1回鹿児島県漁港漁場対話会(県漁港漁場協会主催)が30日、奄美市名瀬の県大島支庁であった。奄美大島内の首長をはじめ、島内の漁業関係者や県・市町村の担当職員など関係者が一堂に会し、管内漁港・漁場事業や水産業を取り巻く状況などについて情報・意見交換。漁業者からは補助事業の使い勝手や、台風避難港としての漁港整備などについて要望が寄せられた。

 冒頭であいさつした県漁港漁場協会の田畑誠一会長は「島内の漁協などにおける取り組みを見させていただき、今後は奄美海区こそが鹿児島県の漁業を背負っていく地域と実感した。ぜひリードしていってほしい」などと漁業関係者の活躍に期待した。

 会では県が実施する水産業振興施策や最近の漁港漁場事業について、また管内漁港の整備状況と今後の計画や課題等について、県・各市町村の担当課から説明があった。県水産振興課によると、鹿県の海面漁業・養殖業の生産量(14年度)は約13万4057㌧で全国12位。また生産額(同)は約800億円で同4位となっており、全国でも主要な位置を占めている。

 一方、全国的な傾向と同様、漁業者の高齢化・減少が進んでいることなど主な課題として示されたほか、県水産物輸出額を52億円から20年度までに100億円へ増大させるための「県水産物等輸出促進戦略」などについて説明があった。

 意見交換では瀬戸内漁協から防波堤の延長など、古仁屋漁港(船津)の台風避難港としての整備や現在避難場所として利用されている、浦地区の係留ピット等の整備要望も。同漁協の茂野拓真組合長は「以前から要望しているが、なかなか実現していない。大型台風襲来時には港内にも高波が打ち寄せ、安心できない」などと訴えた。

 また離島の漁業集落に対し支援を行う離島漁業再生支援事業の交付金について、「以前は交付金の繰り越しができたが、近年はできなくなり使い勝手が非常に悪い。改善を」など意見もあった。