菊次郎の人間性や功績知って

京都市役所で門川市長を表敬した竹田町長(中央)ら(提供写真)

ラジオ番組 龍郷と京都のコミュニティFM制作

 

4月から同時放送へ

 

 龍郷町のエフエムたつごう(椛山廣市理事長)と京都市の「京都三条ラジオカフェ」(深尾昌峰理事長)は、4月から西郷隆盛の長男で同町の名誉町民の西郷菊次郎(1861~1928年)をとりあげるラジオ番組「奄美とセゴドン」を同時放送する。出身地の龍郷町とゆかりの地の京都市では、放送に向け制作が進行。24日は、同町の竹田泰典町長らが、京都市役所で門川大作市長などを表敬した。

 菊次郎は安政の大獄から逃れ奄美大島龍郷に潜居していた西郷と、地元の龍家出身の愛加那との間に誕生。9歳の時に鹿児島の西郷本家に引き取られ、西南戦争では父と一緒に薩摩側で参加し右脚を負傷後に官軍に投降。米国留学の経験から外務省や台湾などで勤務し、1904年2代目の京都市長に就任。外債を募集するなどして三大事業(上下水道事業、第二琵琶湖疎水掘削工事、道路拡幅と市電敷設)に着手し、京都市の近代化に貢献した。

 エフエムたつごうの椛山理事長は今年が明治維新150年に当たることから、旧知の仲の京都三条ラジオカフェの大山一行理事(鹿児島県出身)に共同制作を提案。昨年末には京都のスタッフなどが、奄美大島に来島し史跡などを下見したという。

 エフエムたつごうによると、番組は4月1日に放送開始。同月毎週日曜の午後6時から本放送(計5回)で、翌月曜日のお昼ごろに再放送される。

 郷土史研究家の解説や、奄美の方言を交えたりするなどして、菊次郎の生涯や功績を広く紹介。「全国で聴けるように、インターネットでの放送も考えている」(椛山理事長)。

 椛山理事長は「大河ドラマの放送も始まり、新しい資料などが出てきている。節目の年に番組制作する意義は大きい」と説明。「地元の偉人をとりあげるのが、コミュニティエフエムの使命。番組で菊次郎の温かみのある人間性を知ってもらいたい」と語った。

 京都在住の西郷隆盛研究家の原田良子氏は、菊次郎と妹の菊子(菊草)の足跡などを研究。「菊次郎の2代目京都市長としての功績や、西郷の血を受け継いだ兄妹が京都で暮らしていたことなどをラジオ番組で広く知ってもらいたい」と出演の抱負を述べた。