水土里サークル推進大会

参加者は、地域課題や対策などの意見を出し合った

遊休地対策など提案
ワークショップで意見交換

2016年度「奄美水土里=みどり=サークル活動推進大会」(県庁、奄美大島島内5自治体主催)が29日、奄美市名瀬の集宴会場であった。奄美大島内の集落や環境保全団体の関係者が参加したワークショップでは、遊休地対策や農業の担い手育成など課題解消を挙げ、農業振興につながる意見を出し合った。

同活動は農業・農村における多面的機能の維持・発揮を目的に全国で展開。県内各地でも行政と地域による共同活動が活発化し、現在、同島内では43団体が参加する。(10月現在)

この日は、島内の農業従事者、環境保全組織、行政など約140人が参加。県大島支庁の東洋行農林水産部長は「サークル活動の浸透を図るため、活発な意見を交わしてもらえたら」とあいさつ。

ワークショップで参加者はグループに分かれ、「地域の宝(農業、農地)を守り、受け継いでいくためには」をテーマに、▽現状課題の抽出▽課題解消に向けた手法▽実現させたい具体的活動―について語り合った。

話し合った意見は総括し、グループごとに発表。「遊休地の有効活用」について、あるグループは未登記の土地が多く、高齢化で担い手がいない背景を踏まえ、PTA子ども会やIターン者への貸し出しを提案。発表者は「地主への理解を得ながら、地域に水土里サークル活動の理解を浸透させたい」と呼びかけた。

また別グループは「地域農業の担い手の確保・育成」を掲げ、少子高齢化や農地整備の遅れなどよる後継者不足の慢性化を指摘。その上で「観光農園、農業体験など農業に関心を高める施策が重要。従事者の若がえりに向け、I・Uターン者の呼び込みも解決につながる」などと述べ、ブランド化やインターネットを活用した“儲かる農業”の実現を訴えた。

そのほか、瀬戸内町の「請阿室Deまじんきばろー会」(大里正治会長)による活動事例も発表もあった。