ノネコ 山中で繁殖か

瀬戸内町中央林道に設置したカメラに映る子ネコ3匹(写真右)と母ネコ(同左、提供画像を基に編集)

エサを口に加え運ぶ母ネコ(同)

鹿大島嶼研奄美分室 親子、エサ運ぶ姿映像に
固有種捕食事例も

鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室は、瀬戸内町中央林道でノネコの繁殖が推察される映像を撮影したと発表した。映像には親子で行動するノネコや、捕獲したエサを口にくわえて運ぶ姿が映されており、関係者は「ノネコが繁殖していることが推測される映像だ」と懸念を示している。

同分室のプロジェクト研究員博士の鈴木真理子さんが、アマミノクロウサギの調査のため、昨年夏頃に同地で自動撮影カメラを設置。ノネコは設置直後から写っていたものの、今年夏頃には親子とみられるノネコが一緒に過ごす姿やエサを運ぶ母ネコが度々撮影されたほか、母ネコとオスとみられるノネコとの接触も確認されたという。

鈴木さんは25、26日の両日、クロウサギ調査のため現地入りしてカメラの画像を分析。26日早朝にアマミトゲネズミとみられる物体が通過した後、しばらくして同じ方向へ進むノネコの姿があり、その数十分後には2頭が何かを食べている映像が、その現場周辺では皮と左後ろ足の姿となったアマミトゲネズミの死がいが確認された。

鈴木さんは「現地は近隣に民家が全くなく、飼い猫やノラネコの可能性はほぼない。単独行動をするネコの習性を考えても、映像のネコは親子で間違いないだろう」と指摘。山中でも固有種や在来種を捕食し、繁殖して個体数を増やしている可能性に言及した。

鈴木さんはその上で「ネコを捨てることは、人もネコも固有種も誰も得をしない」と強調。住民の対応として、「ペットは責任を持って飼ってほしい。私たちにできることは捨てないこと」と呼びかけた。