ノネコ対策支援など要請

中川雅治環境大臣に要望書を手渡す、朝山毅奄美群島広域事務組合管理者ら

環境相に市町村長会・議長会

 

 【東京】奄美群島市町村長会(会長・伊集院幼大和村長)と奄美群島市町村議会議長会(会長・前田芳作天城町議会議長)は28日、国の2018年度予算編成を前に、奄振事業費の満額確保と世界自然遺産登録を見据えた取り組みに関する支援などの要請活動を関係省庁に行った。金子万寿夫衆院議員らと共に中川雅治環境大臣に陳情を実施した。

 朝山毅奄美群島広域事務組合管理者(奄美市長)は「世界自然遺産登録を熱望、地元も条件整備に取り組んでいる。夏の遺産登録決定に向けて予算の満額確保を」と要請、中川環境大臣は「IUCNの現地調査では地元の方々に多大なご協力をいただき、無事に終了したが、意見交換会でゴールではなくスタートとの意見が出たことで頼もしく思っている」と応え、前向きな発言と受け止めた伊集院会長は「各市町村でハードとソフトの両面で対応を進めていきたい」と語った。

 要望活動には伊集院会長含め11人が参加。2班に分かれての要請行動を行い、農水省では、農業関係事業費の確保を荒川隆農村振興局局長に要請、ミカンコミバエ・アリモドキゾウムシ対策費を消費・安全局植物防疫課の島田和彦課長に要望、特殊病害虫対策について生産局総務課生産推進室の東野昭浩室長に要請した。国交省では高橋克法国土交通大臣政務官と山本知孝特別地域振興官に奄振事業費の確保を要望した。

 要望活動の最後となった環境省に出向いたのは午後5時45分。参加者全員が大臣室を訪れ、世界自然遺産登録を見据えた取り組みに関する支援を要望した。

 具体的には、①環境省直轄事業となるビジターセンターなどの施設整備計画等について、地元市町村に対するきめ細かな情報提供を行うこと②18年夏の世界自然遺産登録を目指し、必要な取り組みを講じること③世界自然遺産としての価値の維持を図るための希少生物保護対策やノネコ・マングース等の外来生物対策を講じること④奄美群島自然共生プランに基づく取り組みに対し積極的支援を講じること⑤奄美群島における公共事業において、積極的に環境配慮型工法を導入すること―などを要望した。

 要請行動が終わった伊集院会長らは、「2017奄美TIDAネシア交流会」(奄美群島広域事務組合主催)が行われる都市センターの会場へ向かい、国会議員や東京奄美会のメンバーらと交流を行った。