産卵可能な川底に

住用川で行われたリュウキュウアユ産卵地の整地作業

住用川安全協 重機など使い整地
リュウキュウアユ生息、作業

 奄美市住用町の住用川で河川の護岸工事などを行っている住用川安全協議会(大門雄二会長)は31日、リュウキュウアユ産卵地の整地作業を行った。産卵シーズン(11月下旬頃から)を前に、同河川での整地作業は今回が初。整地箇所は、数年前までは産卵が見られたが、昨年は産卵がなかったポイント。重機を入れて整地することで今年は無事産卵が見込めそう。

 作業には同協議会に所属する平良建設、前田建設、中村建設の3社から約20人が参加。県環境技術協会の米沢俊彦さんのアドバイスを受けながら、整地に臨んだ。

 整地箇所は同河川の冷川合流地点とスタルマタ合流地点の2カ所。米沢さんによると、同地は大きな石が集まり、川底が硬く固まっているなど、リュウキュウアユの産卵には向かない状態になっていたという。以前は産卵が見られた場所でもあることから、同協議会が地域貢献活動の一環として作業を行った。

 整地では川底を20㌢ほど掘り起こす必要があるため、工事で使われる重機を使って作業。大まかに川底を動かすと、残りは手作業で大きな石などを取り除いた。

 米沢さんは「これだけの大きな石があり、川底の硬い場所だったので、重機を使えるのは心強い。実際に産卵できそうな川底にはなったと思う」と語った。

 リュウキュウアユが生息する河川では、産卵シーズンからふ化、遡上の間、工事は中断している。大門会長は「この整地を機に産卵したら、我々も作業した甲斐=かい=がある。河川の工事は防災の面もあるが、豊かな自然を守りながら進めていきたいので、これからも自然との共存を目指して取り組んでいく」と話した。