サトイモ疫病対策講習会

サトイモ疫病の対策を聞く農家ら=和泊町=

収穫後の残渣処理を
種イモの選別徹底も呼び掛け

【沖永良部】サトイミ疫病対策講習会(県園芸振興協議会沖永良部支部主催)が23日、和泊町研修センターであった。島内のサトイモ農家約50人が参加。県農業開発総合センターや県沖永良部事務所の職員が講師を務め、疫病対策として収穫後の残渣の処理や種イモの選別・洗浄の徹底などを呼び掛けた。

沖永良部・与論では、2014年にサトイモ疫病の発生を確認。15年5月には、台風通過後の発生拡大で品質の低下を招いた。発病すると、葉の変色後に地上部が枯れ、最終的に地下部も腐敗する。

あいさつに立った県沖永良部事務所農業普及課の池田利徳課長は「今できる対策を確実に行い、発生を抑え、周囲に蔓延=まんえん=させないことが重要」と述べた。

疫病の生態について、県農業開発総合センター生活環境部病理昆虫研究室の湯田達也氏は「疫病が発生した植物の葉や茎などの残渣に菌が残り、翌年の発生源になると考えられる」「生育適温が28~30度と高温性の菌である」と説明し、対策に▽収穫後に残渣を速やかにすき込み分解させる▽種イモ選別の徹底―を挙げた。また、疫病菌が風雨によって飛散し伝搬することから、発病前の予防散布の徹底と、発病後は病気が広がる前に早期に収穫するよう促した。

講習会では、今月8日にサトイモ疫病に対する登録農薬として登録が拡大された「ジーファイン水和剤」による予防散布の結果を県沖永良部事務所の職員が報告し「発病前に予防散布したものは、ほとんど緑色のままで発病が見られない状態だったが、発病後に散布したものは病気が広がり抑えることが難しい」と話した。

このほか、同町実験農場が今後行う予定の疫病対策に関する試験の説明が行われた。