「諸鈍シバヤ」初の中止

中止が決まった伝統行事「諸鈍シバヤ」=資料写真=

台風22号接近の影響で

瀬戸内町社会教育課は、28日に同町加計呂麻島諸鈍で行われる予定だった伝統行事「諸鈍シバヤ」の中止が決定したことを発表した。中止は台風22号の接近が予想されることが原因で、同行事の中止は今回が初めてだという。

大屯=おおちょん=神社で旧暦の9月9日に行われる「諸鈍シバヤ」は手製のカビディラという紙の面と笠をかぶり、即興狂言や人形劇を演じる伝統行事。1185年の壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた平資盛=すけもり=一行が、島民との交流を深めるために伝えたのが始まりと伝えられている。一時途絶えた期間があったものの、1914年に復活。76年には国指定の重要文化財に登録された。

地元住民によると、同行事は2008年に雨天により体育館での実施となったが、中止になるのは初めて。同集落の徳元区長は「クガツクンチ(旧暦の9月9日)の行事なので日程をずらすことはできない」と話した。