市生涯学習講座西郷塾

講師から愛加那が子どもたちを送り出した心情や津田梅子の留学経験などが語られた

「愛加那と菊草心情探りたい」

 

西郷の玄孫講師 人間像形成は「奄美での3年間」

 

 奄美市の生涯学習講座「西郷塾」(安田荘一郎塾長)の8回目が27日、同市名瀬の名瀬公民館(紬会館7階)であった。塾生など約30人が参加し、安田塾長やゲスト講師から愛加那が子どもたちと別れた心情や、講師が縁のある津田梅子の留学事績などが語られた。

 同講座は昨年から開講され、今年度で2年目。今年度は塾生20人が登録し、6月にスタートしている。

 今回は西郷隆盛と鹿児島での妻のいととの玄孫=やしゃご=にあたる大阪芸術大学写真学科の津田直客員教授がゲスト。雑誌特集の取材を兼ねて奄美入りすることから、同塾で講師を担当。奄美には学生時代に研修で来たのが初めてだという。

 安田塾長は冒頭で、奄美は来年に大河ドラマで注目を集めるが一過性にしないためには①おもてなしの心②郷土に対する誇り③郷土の魅力の発信力―が重要と指摘。「講師の話から愛加那像を見直したい。奄美はヲナリ(女)神の島とも言われる。そこに焦点をあてたい」と話した。

 津田さんは西郷家の家系と母方の津田家の系図を説明。23歳の時に津田家に養子で入り、西郷隆直から現在の名前に改名したという。

 今回の奄美来訪は、雑誌の企画で西郷隆盛の末裔が撮る西郷ゆかりの地を依頼されたためと示唆。「西郷の人間像を形成したのは、奄美での3年間の暮らしだったのではないだろうか」と話した。

 奄美に入り龍郷町の史跡などを回り、「愛加那の末裔になる人から、西郷菊次郎が自分の祖父と映っている写真を初めて見せてもらい驚いた」というエピソードを披露。奄美市の男性からは、愛加那のギハ(かんざし)の実物を見せてもらったとした。

 母方の津田家の系図では、津田さんの母親の3代前が女性の高等教育に生涯を捧げた津田梅子に相当。日本初の女子留学生たちに共通した点は、▽主体的に自身で留学を決断しいていない▽父や兄たちが欧米の渡航経験があった▽父や兄たちが旧幕臣出身―と指摘した。

 「愛加那が娘の菊草を西郷家に送り出した心情と、津田梅子を留学させたものとは違うものがあっただろう」と推察。講話のまとめで安田塾長は「当時の人の強さを感じる。使命感だったのではないか」。津田さんは「今後も愛加那と菊草がどういう心情だったかを探りたい。菊草が菊次郎の家で暮らしていた頃の話などを大山家からも調べてみたい」と語った。

 次回の西郷塾は、10月11日の予定。