台風被害奄美視察を報告

台風5号の被害により県道で唯一通行止めとなっている佐仁万屋赤木名線を視察した三反園知事

知事定例会見 スピード感もち対策全力
車座対話 離島の要望に取り組み

 三反園訓知事は17日、定例記者会見を行い、今月10日から13日まで喜界島と奄美大島(加計呂麻島を含む)で行った台風5号の被害状況の視察について所感を報告。地元である市町村とも連携し「県民が元通り安心して生活できるよう、スピード感を持って災害対策に全力で取り組む」と強調した。

 台風5号による被災では、記録的な大雨により県内他地域よりも大きかったとして喜界島、奄美大島の現地の被害状況を直接確認し把握するのが目的。知事は喜界島2カ所、奄美大島11カ所を視察した。

 視察を振り返り、知事は「喜界島では町の担当者から特産のゴマが強風や大雨により2割程度の減収見込みと聞き、サトウキビは2%程度の減収との説明を受けた」。県の喜界事務所には9日付で金融面や技術面の相談窓口を設置しており、「被害を受けた生産者への適時適切な支援を指示した」と述べた。

 奄美大島では県道で唯一通行止めとなった奄美市笠利町の佐仁万屋赤木名線などを視察。知事は「できる限り早急な応急対策を講じるとともに、県工事の道路、河川など公共土木施設の復旧に全力をあげるよう指示した」と述べるとともに、市町村の工事についても「一日も早く復旧できるよう地元の首長と連携しつつ、国の災害復旧事業に関わる手続き、技術的な支援に努めるよう指示した」と報告した。こうした災害復旧のための補正予算対応については「今後、必要があれば検討したい。担当部・課と詰めていく」。

 両陛下が県内離島(屋久島・沖永良部島・与論島)を訪問する方向で調整されていることに関する質問も。知事は「報道があったことは知っているが、現在のところ具体的な内容が確定していない段階であり、ご訪問に関しては(発言を)差し控えさえていただく」と述べるにとどめた。

 知事は、両陛下が訪問されるとされている沖永良部島と与論島で車座対話を行っている。「各首長、議員らと意見交換を行い、2島で車座対話を行った。両島とも素晴らしい観光地であるとあらためて感じたが、島ならではの要望もたくさん聞いた。輸送コスト削減などさまざまな要望に対して取り組んでいきたい」と述べ、観光面では「もう少し所得が上がるよう、今後も具体的なことについいて意見交換していきたい」とした。

 このほか鹿児島の方言を保存継承するための啓発期間として、11月の第3週を「鹿児島県方言週間」として制定するとの発表があった。奄美では市町村が2月18日を「方言の日」と定めている。知事は「県としては方言週間として取り組む。県内全域の方言が若い人々にも語り継がれ、方言の素晴らしさや文化として継承していく重要性を広報啓発(県広報誌や広報番組などで情報発信)していく」と説明した。