「徳之島型モデル」を県内に

「徳之島型モデル」を県内に

テレビ会議システムを通じて現地から発表する赤崎教諭

「教育の情報化」フォーラム
「遠隔合同授業」の成果発表 徳之島町母間小・赤崎教諭

 【鹿児島】17年度かごしま「教育の情報化」フォーラムが31日、鹿児島市の県民交流センターであった。午後からの分科会では母間小(徳之島町)の赤崎公彦教諭が「遠隔合同授業、3年間の軌跡」と題して、遠隔合同事業の実践例を発表。テレビ会議システムを活用し、現地から声を会場に届けた。

 フォーラムは県内の小中高校教諭など教育関係者が参加し、授業におけるデジタル教材やICT機器の活用などを通して、教職員の指導力向上を目指す。徳之島町では文部科学省の委託を受けて、母間小、花徳小、山小が合同で、インターネットのテレビ会議システムを活用して「複式双方向型遠隔合同授業」を実施している。

 小学校教員には複式指導の経験がある人が少なく、少人数の教員間では複式指導の指導法研究も深まりにくいという。ICTを活用し3校合同で複式双方向型遠隔合同授業を3年間実施し「教師と児童が直接対面する機会が増え、児童の主体的な学習を促す支援が可能になった。時間的な余裕もできて個別指導や主体的、対話的な学習が充実したというメリットがあった」と赤崎教諭。

 同時に合同授業に適さない教科があることや、機器の準備に時間がかかるなどのデメリットも明らかになり、「単元の精選と指導計画の作成、日常化に向けた工夫や対策が必要」との課題も明確になった。今年度からは一日遠足や修学旅行などの学校行事を合同で実施して直接交流も進めている。

 赤崎教諭は「教員の負担軽減と同時に指導技術の向上にも寄与した。3年間の3校で実施した『徳之島型モデル』を県内でも広めて、複式指導の向上を」と訴えていた。