宮古崎トンネル見学ツアー

ドリルジャンボに試乗する子どもたち

建設土木業の魅力紹介
重機試乗体験やトンネル工法解説

 (一社)鹿児島県建設業協会と県大島支庁建設部は4日、大和村国直の宮古崎トンネル建設現場で親子見学バスツアーを開いた。募集定員を上回る35組約80人の親子が参加。参加者はトンネル工事現場見学や重機試乗など体験し、建設業や土木の仕事の魅力を感じた。

 参加者は奄美市名瀬の大島支庁駐車場からバス2台に分乗し、国直に移動。集合した参加者に大島支庁建設部の上大田孝成部長が、「親子での現場見学会に大きな意義がある。参加した子どもたちの中から、建設業を志す子が出てくれたらうれしい」などとあいさつした。

 参加者は支給された軍手をはめて、2チームに分かれ道路整備(交付金)工事宮古崎トンネルJV(特定建設工事共同企業体)の下野正人作業所長の先導で工事現場に入場。中でヘルメットを一人ずつ手渡され頭に被り、入り口付近と掘削先端部の2カ所にチームで分かれて工事現場を見学した。

 入り口付近では、下野さんが「トンネル先生」となり、宮古崎トンネル工事の概要などを解説。掘削方法は火薬で岩盤を破砕して穴を掘り、H形鋼をアーチ型に組んで2度吹き付けコンクリートを打ち、3㍍のボルトで固定していくNATM(ナトム)工法を採用。「発破で出た岩のくず(ズリ)を連続ベルトコンベヤで排出する環境と人に優しい工法が採用されている」と説明した。

 なお同トンネルは総延長が2315・5㍍(3日現在549㍍地点まで掘削、進ちょく率約23%)で、完成すると現在より距離が2㌔、時間が約5分短縮される県内第7位(奄美大島では第3位)のトンネルになる。

 汚れた水をきれいにする実験や、吹き付けコンクリート面に記念に奄美の生きものや自然などスケッチを実施。その後歩いて移動しチームを入れ替えて、工事現場の奥の方で子どもたちはドリルジャンボやバックホーなど大型重機に体験試乗した。

 小宿小5年の大庭徠夢=おおばらいむ=くんは、トンネル工事の過程を知る目的で参加。「ドリルジャンボに乗り、天井付近は風が強かった。トンネルが早くできてほしい」。小学2年の妹の徠音=りおん=さんは、「トンネルの壁にアマミノクロウサギを描いた。ドリルジャンボに乗って、天井を触った」と話した。